「リスク低い場合、自己検査を」

重症化リスク低い場合の受診・療養の流れ

 

 

発熱外来ひっ迫懸念 コロナ・インフル同時流行で
奄美大島5市町村など呼び掛け

 

 奄美大島の5市町村と大島郡医師会、名瀬保健所、奄美薬剤師会、県立大島病院は13日、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行により、島内の医療機関で発熱外来がひっ迫しつつあることから、外来受診や検査キットによる自己検査、自宅療養などの流れをまとめた広報紙を作成、感染対策などの啓発を始めた。島内の小中学校や幼稚園・保育所などを通じて各世帯に配布するほか、各自治体のホームページやSNSなどに掲載し、感染対策の徹底を呼び掛けている。

 名瀬保健所管内では12日、「インフルエンザ流行注意報」が発令されたほか、新型コロナの感染者も増加傾向にあり、奄美市内の医療機関では、新型コロナとインフルエンザに同時感染した患者や同世帯で新型コロナとインフルエンザが確認された事例なども報告されている。同市健康増進課によると、医療機関では発熱外来がひっ迫、電話がつながりにくい状況が生じ、同課に相談が寄せられるケースもあるという。

 広報紙では発熱外来を受診する際の注意点として、子ども(小学生以下)や高齢者、妊婦、基礎疾患のある人など重症化リスクの高い人と、12歳~64歳の重症化リスクの低い人に分けて、受診・療養の流れを図式化。それぞれ、新型コロナ、インフルエンザに感染した場合の対応などを示している。

 重症化リスクの高い人は、すぐ発熱外来やかかりつけ医などに受診相談することを勧める一方、重症化リスクの低い人については、新型コロナ検査キット(抗原検査)による自己検査を行った上で、陽性が確認された場合は、県のフォローアップセンターへの報告、自宅療養などを求めている。また、陰性だったにもかかわらず、発熱などの体調不良が続く場合は、かかりつけ医などを受診するよう呼び掛けている。

 市健康増進課の徳永明子課長は「受診や相談を必要とする人に、速やかに対応できる体制を維持するためにも、重症化リスクの低い人には、自己検査をお願いしたい」などとし、発熱があっても水分や食事ができる場合は、慌てず平日の診療時間内の受診も呼び掛けている。

 また、名瀬保健所の相星正吾所長は「基本的な感染対策を行うと同時に、食事や睡眠を十分にとるなど免疫力をアップすることで、感染しにくい身体づくりに取り組んでほしい」と話した。