タンカン果実分析

平年並みの中身品質となっている今季のタンカン。糖度の伸びが期待されている

中身品質、平年並み 酸残り糖度伸び期待

2月からのタンカン収穫を前に、JAあまみ大島事業本部は果実の品質調査を行ったところ、平均糖度10・1度、クエン酸1・12%となり、「平年並み」となった。1%を超える状況から酸がまだ残っており、今後さらに糖度が上がる見通し。

JA果樹部会員を対象とした品質調査は毎年10月から1月まで月1回実施している。今季最後の調査は今月11日に奄美市名瀬朝戸の奄美大島選果場であり、奄美大島の各地区から114点が持ち込まれた。

品質調査では果実の大きさ(横径)測定後、切断し果汁をしぼり出し、専用の機器で糖と酸を測定。2Lサイズが果実分析用となった。算出されたデータは光センサー選別の選果ベースとして活用される。中身品質の状況を過去2年間と比較すると、前年2022年1月の平均は糖度11・56度、酸1・12%、21年同は糖度10・43度、酸1・09%。今季の状況(1月品質)についてJAは「昨年が良すぎた。21年の状況に近いが酸がまだ残っており、糖はさらに伸びる」と期待する。

今月14日には奄美市名瀬で最高気温が「夏日」を観測するなど気温の急激な上昇による影響が懸念された。JAは「気温上昇で減酸が早まると糖がのらず、収穫も早めなければならない懸念があった。週明けの16日は冷え込みで気温が低下している。寒がしばらく続けば外観の紅のりを含めて品質がさらに良くなるのではないか」と指摘する。

これからの収穫にあたっては規格外品や小玉(Sサイズ)を選果場に持ち込むことがないよう、樹上摘果の徹底をJAでは生産者に呼び掛けている。病害ではサビダニの発生が目立つことから、果皮(サビ色に変色)の状態から摘果が必要となっている。