「奄美共生プロジェクト2022年度」の開催をPRする奄美大島介護事業所協議会の盛谷一郎会長(左)と勝村克彦副会長=18日、奄美新聞社で=
奄美大島介護事業所協議会(盛谷一郎会長)は、2019年3月に「奄美共生プロジェクト」のイベントを初開催したが、その後は新型コロナウイルス感染症の影響などにより開催を見合わせてきた。今年度、感染に十分配慮しながら来月、3年ぶりに共生イベントと講演会を計画している。プロジェクトの再スタートとなり、地域社会での支え合い機運の醸成を図る。
地域共生社会の実現へ障がいを抱えて生活している人々や認知症を患った高齢者が、これまで以上に気軽に地域に出掛け、地域住民と交流できる環境(雰囲気)づくりが目的。
2月12日(日曜日)に奄美市名瀬で開催。午前中(10時~正午)が共生イベント(街中ウォーキング)。金久中・伊津部小・奄美小(いずれも校庭・グラウンド)の3カ所からスタート、ゴールの奄美市役所・市民広場を目指して歩く。障がい者や高齢者らは車いすなどでの参加になり、支え合いながら共に歩くことで段差の状態を確認、こうした人々が地域に出掛けるためのバリアフリーの必要性を理解する場となる。ゴールでは障がい者支援施設や就労支援事業所などの入所者・利用者が製作した商品の販売ブースも設けられる予定。
午後からは地域共生社会について考える講演会を2時~4時半まで市役所5階大会議室で。厚生労働省社会・援護局総務課課長補佐の小野博史氏が「地域共生社会の実現に向けた国、地域の取り組み(仮題)」、枕崎市にある天の杜合同会社代表で社会福祉士の岡山隆二氏が「地域共生のまちづくり(仮題)」についてそれぞれ講演する。岡山氏をコーディネーターに小野氏、安田壮平奄美市長、盛谷会長、田中基次氏(㈱リーフエッヂ代表、障がい者相談支援専門員)が参加してのディスカッションもある。会場参加限定50人だが、Web視聴できる。
盛谷会長、同プロジェクト実行委員会事務局の勝村克彦副会長は「共生イベントへの参加により、共に一つのことを成し遂げることで介護・支援を必要とする人と一般市民の距離が縮まる」と話し、最初の開催となった19年(18年度)は約200人が集まりにぎわったが、「翌年以降はコロナで中止となった。感染対策の面から規模(参加人数)にこだわらず開催し、来年度以降も継続していきたい。福祉や関係行政だけでなく、地域に出掛けやすい環境づくりへまちづくりに関わる業界にも参加を呼び掛けたい」と語る。再スタートを切る共生プロジェクトの継続により幅広い結びつきで「地域共生社会の実現」を目指す。
問い合わせ先は、実行委員会事務局の勝村さん電話0997・55・0050(事業所・きずな)まで。