農改活動成果発表

普及指導活動について意見を交わした参加者ら=和泊町=

花き振興や畑かん推進で意見
「咲八姫」4月出荷へ指針
沖永良部事務所農業普及課

 【沖永良部】2022年度農業改良普及指導活動外部評価会(大島支庁沖永良部事務所主催)が18日、和泊町中央公民館ホールであった。外部委員となっている農家や行政関係者ら20人ほどが参加し、「えらぶゆり」の生産振興や畑かん営農推進に関する取り組みについて意見を交わした。

 農家の技術向上や経営安定を目指し、大島支庁沖永良部事務所農業普及課が取り組んでいる普及指導活動の成果や展開方法を評価するために開催している。

 会では、えらぶゆりの生産振興と畑かん営農推進の二つの課題について、農業普及課の各担当者が発表した。えらぶゆりの生産振興で、低コスト化が期待できる露地栽培での有望品種として和泊町育成品種「凛」と県育成品種「スカイホルン」を紹介。実証結果について「(両品種ともに)施設栽培と同等の品質で収穫できた」とした。また、えらぶゆりの新品種「咲八姫(さくやひめ)」の技術確立については、4月出荷の栽培指針を作成したと報告した。

 「咲八姫」の22年度生産実績は、農家数6戸で総出荷本数4640本、単価287円(前年度平均単価121円)、出荷率71%。23年度は農家数7戸、切り花用作付けは2万球を予定しているという。

 次に、畑かん営農の推進について、水利用の実態調査や降水量の見える化などの活動成果を説明。今後の取り組みとして「土壌水分の見える化により自動で適切なかん水ができるようなシステムが必要」などと述べた。

 質疑では外部委員から「土壌水分のデータを活用し、農家に水利用を呼び掛けてほしい」「咲八姫と合わせて基幹品種のヒノモトの生産振興も重要」などの意見が出た。

 情報提供では▽経営発展支援による担い手育成▽安定したサトウキビ生産技術の確立と持続性のある産地の育成▽自給飼料基盤強化による肉用牛経営体の育成―など五つの取り組みについて報告があった。