「われんきゃガイド」保護者らに好評

楽しいクイズ形式(写真は人体文字)で楽しませた「われんきゃガイド」(与名間分校3・4年生)=19日、天城町

子ども目線で「地域の宝」発信
天城町岡前小・与名間分校

 【徳之島】天城町立岡前小学校(田子山ゆかり校長)の与名間分校3・4年生ら6人の「われんきゃガイド」本番の発表会が19日、保護者や町教育委員会関係者などを招いてあった。専門家の基礎指導を受けて昨年4月から子ども目線で取り組んだ。校区の自然や文化・歴史など「地域の宝」の魅力をはつらつと紹介した。

 「われんきゃ(子どもたち)ガイド」とは、総合的な学習の時間などを活用して校区・集落のさまざまな「地域の宝」を自分たちで調べ、その良さや魅力を発信する活動。講師は、奄美群島広域事務組合のエコツアーガイド初期段階育成研修講師9年目の「歩健学研修室」(伊仙町阿権)代表の西村千尋さん(元長崎県立大教授)が担当している。

 西村さんによる徳之島島内の「われんきゃガイド」育成は、阿権小(同町)を皮切りに手々小中(徳之島町)、兼久小(天城町)、神之嶺小(徳之島町)を含め計5校目という。

 与名間分校3・4年生らは開会式で、「われんきゃガイドとは与名間の宝を見つけて発表することです」などと前置きし、6人全員が将来の夢も交えはつらつと自己紹介。手描きで作成した『YoNaMAP』を使い、分校創立の歴史や自慢の池の紹介などを皮切りに、集落を見守る「氏神(うじがみ)神社」、東シナ海を一望できる浄水場(高台)、謎の「ケンムンの木」、住民交流ポイントの巨岩「しら石」、金メダリストが汗を流した「尚子ロード」など計10カ所(1㌔弱周回)を案内。クイズ形式の説明で保護者たちをわかせた。

 児童の1人・金子凛太郎くん(3年生)は「思った以上に緊張した。次は観光客などもっとたくさんの人たちに大きな声で発表したい。(コースで)一番好きな宝は、海の見晴らしがよくてクジラも見える浄水場です」とニッコリ。

 岡前小本校と同分校に孫3人が通う地元の豊島達夫さん(77)は、「集落の宝を語り継いでくれる高齢者たちが減って非常に寂しい思いをしていた中、こうした取り組みは大事」。母親たちも「徒歩で巡ったのは初めて。説明も非常に楽しかった。みんなで観光客のガイドもして欲しい」と目を細めた。

 講師の西村さん(58)は「島を離れても、こうした直接体験で得たふるさとの素晴らしさを語れる観光大使になって欲しい。昨秋の学習発表会(中間発表)も聞いたが、鳥肌が立つほど素晴らしく感動した」とたたえた。

 同ガイド活動では今後、徳之島トライアスロン大会やかごしま国体同競技での来島者たちへの対応も検討するという。