知事定例会見

「同時流行近い状況」
警報発令の名瀬保健所管内
医療提供体制の逼迫懸念

 塩田康一知事は20日、県庁で定例会見を行い、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行について、「インフルエンザ流行警報」が発令され最新の定点当たり報告数が40を超えた名瀬保健所管内については「同時流行に近い状況」との認識を示した。同時流行により医療提供体制の逼迫=ひっぱく=が懸念されることから知事は、県民に改めて感染防止対策の徹底を呼び掛けた。

 同時流行を防ぐため、知事が「県民へのお願い」と発言した具体的な内容は、▽こまめな手洗いや手指消毒、換気の徹底、場面に応じたマスク着用など基本的対策徹底▽軽い発熱や喉の痛みといった軽症者は外来診療の混雑を避けるため、なるべく平日の日中の受診▽新型コロナの検査キットや解熱鎮痛剤をあらかじめ準備▽小児を含め重症化の予防を図るメリットの方が、接種後の副反応の懸念よりも大きいことから、コロナとインフル両ワクチンの早めの接種検討―など。

 行動制限について知事は「新たに行うことは考えていない」とし、引き続き「三密(密閉、密集、密接)」を避け、感染リスクの高い場所への外出は控えてほしいとした。県警戒基準レベル引き上げ、医療逼迫防止対策強化宣言の発令については「今のところ考えていない。ただし決して楽観できる状況ではない」と述べた。

 また、1月末までとしてした県の無料PCR検査について2月末まで延長することを明らかにした。知事は「県下287カ所において実施しており、イベントに参加する際、離島を訪問する時など積極的に活用してほしい」と呼び掛けた。

 岸田文雄首相は、新型コロナの感染症法の位置付けについて、原則として今春、現在の「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げる方針を示した中、これに関する質問もあった。知事は「医学的な検討のほか、医療費(PCRやワクチンなど)負担などしっかりと検討しながら移行すべき」と指摘。年末年始に続き今後は年度末の進学・就職に伴う移動など引き続き警戒が必要とした。

 このほか知事は、来月25日に奄美市名瀬の奄美文化センターで「ほこらしゃ奄美音楽祭~奄美群島日本復帰70周年を祝して~」開催を発表。三部構成で、1部は総勢41人のプロオーケストラによるクラシックの名曲演奏、2部は島内外で活躍する唄者による島唄、3部は島唄の編曲による3人の唄者とオーケストラの共演になり、知事は「島唄のオーケストラ用の楽譜を作成した。これまでにない試み」とPRした。