密猟・密輸対策連絡会議

密猟・密輸対策について、関係機関の代表らがオンラインで意見交換した

水際対策強化で希少種保護
奄美空港での違法事案など報告
関係機関の連携図る

 「奄美群島地域における希少な野生動植物の密猟・密輸対策連絡会議」のオンライン会議が26日あり、環境省沖縄奄美自然環境事務所や税関などの関係省庁と鹿児島県、航空会社などの民間関係団体の担当者ら約30人が密猟・密輸の現状や課題を共有。今後の取り組みなどについて、意見交換し連携強化を図った。

 同会議は希少種の違法採集や持ち出し防止に向けた関係機関の連携を図ることなどを目的に2019年に設立。開催は、20年度以来3回目。会議は、21年度と22年度に奄美・沖縄地域で発生した密猟・密輸事案の発生状況が報告されたほか、来年度以降の取り組み予定などについて協議した。

 国内で絶滅の恐れがある野生動植物のおよそ4割が集中する南西諸島では、は虫類や両生類、昆虫、植物を中心に販売目的の違法な捕獲や取引が相次いでいる。奄美空港でもシリケンイモリ約200匹、アマミアオガエル約70匹を含む大量の生き物を持ち出す事案が発生するなど、奄美大島と沖縄県で21年~22年にかけ4件の密猟・密輸が確認されている。また、県内の島々では昆虫採集を目的とした違法なトラップ設置が複数確認されていることも報告された。

 来年度の取り組み予定などについての協議は、非公開で行われた。同事務所によると、密猟・密輸対策の推進では、希少生物の認識ができるスマートフォンアプリの開発が挙げられ、奄美空港などでの取り組みなどについて関係機関が報告。専門知識の少ない空港職員でも、撮影した画像で捕獲が禁止されている希少種かどうか判別ができるアプリの機能などを紹介、今後、人工知能(AI)を使った画像認識技術の向上を図ることで、島外への持ち出しを防ぐ水際対策の強化につなげていくことなどを確認した。