大島チーム、飛躍誓う

強化練習に励む選手たち=18日、奄美市名瀬運動公園陸上競技場

C優勝、B復帰、躍進1位へ
県地区対抗女子駅伝、29日号砲

 第36回県地区対抗女子駅伝競走大会(MBC南日本放送、県、県教育委員会主催)は29日、霧島市の同隼人運動場を発着点に国分下井を折り返す6区間の21・0975㌔で県内12チームが覇を競う。大島チームは前大会終了後から合同練習会を再開し、1年を通じて選手・チームの強化を図ってきた。目標に「Cクラス優勝」「Bクラス復帰」「躍進賞1位」のトリプル受賞を掲げ、昨年総合11位からの飛躍を目指す。

 2022年は大会終了直後に合同練習を始動した。これまでの週1回の練習を2~3回に増やし、春先までは徹底してクロスカントリーの走り込み。5月からは疾走とつなぎジョグのインターバル走を繰り返してスピードを強化。秋以降は実戦練習に切り替え、ペースや距離感を体にたたき込んできた。

 前大会は1区で11位と出遅れ、2区以降も挽回はならなかった。チームを引っ張る久保愛結美(27)は「去年の悔しさを忘れずしっかり準備をしてきた。伸びたタイムにも満足せず〝もっと速く〟と練習意欲をかき立てて取り組んできた。チームの底上げもできている」と目標達成に期待を込める。

 今年一番となった寒波の影響で、24日が奄美大島での最後の強化練習となった。備秀朗監督(61)は「予定通り消化できた。練習には満足できている。大きな故障もなく大丈夫なのが何より」とチームの順調さを強調する。

 「明るい選手が多く、練習では年上や年下関係なく、みんなが競い合ういいチーム。(目標達成には)手応えも感じている」と久保。前大会の悔しさをバネに今季は練習量を大幅に増やし、計画的に鍛錬してきた。「最後まで全力で駆け抜けたい。(厳しく練習してきたことで)ラスト1分も力強く走れると思う」と意欲をのぞかせる。

 大島チームは27日に鹿児島に移動。号砲は29日午前10時。選ばれし“韋駄天(いだてん)”たちの走りに期待したい。

 大島チーム登録選手は次の通り(敬称略)。

 ▽監督 備秀朗▽コーチ 求昌純、山尾次郎▽マネージャー 野村朋美▽選手 牧野ゆり(ふれ愛の郷)、上原千怜(県立大島養護学校)、久保愛結美(県立大島病院)、大川菜々子(ジェイズ・パートナー)、永田侑希(鹿児島工業高専3年)、中田琴華(樟南高2年)、篠原一花(鹿児島女子高1年)、要田光春(赤徳中2年)、福﨑心椛(朝日中3年)、手島凛花(同)、深谷クウイポ愛(赤徳中2年)、濱川輝心(喜界中1年)

 

「万全で挑める」


練習で激を飛ばす備監督

備監督インタビュー

 前大会総合11位から巻き返しを目指す大島チーム。備監督に大会に向けてのチームの状態や決意などを聞いた。

 ―前大会を振り返って。

 流れに乗れなかった。競り合う場面もなく、駅伝の怖さを思い知らされた。課題ばかりが残ったが、むしろ課題こそが収穫。大会後は「故障させない」をテーマにしっかりと取り組んできた。

 ―十分な練習はできたか。

 久保愛結美が復活、全盛期の9割は戻っている。上原千怜も強くなった。みんなを引っ張る力になっている。秋口からは実戦練習も徹底した。チーム(の成績)も安定している。

 ―レースにはどう挑む。

 1区が久保愛結美、2区は要田光春。1・2区で競り合う場面をつくり、後ろにつなげたい。うまくつながればチャンス。今年は記録も伸びた。成果にこだわっている。(レースには体調を含め)万全で挑める。

 ―チームの特長は。

 社会人を中心に明るく元気でまとまりのあるチーム。中学生5人も登録し、先々にも期待できる。今年は、高校生陸上部男子も一緒に練習に加わり支えてくれた。大勢の人にサポートをいただいた。8位以内(Cクラス優勝)を目指して頑張りたい。

 ―島民に決意を。

 今年は奄美群島日本復帰70周年の年。先人の思いをタスキに込めて走りたい。沿道では毎年、島民や郷友会など多くの人が応援に駆け付けてくれている。走りで恩返ししたい。