「ヒョウモンダコ」にご注意を!

生息数増を懸念。徳之島町亀徳で一挙2匹捕獲された「ヒョウモンダコ」(白色に擬態)=池村茂さん撮影

徳之島 亀徳海岸で一挙に2匹確認
生息数の増を懸念

 【徳之島】徳之島町亀徳海岸の浅瀬で24日未明、鮮やかなヒョウ柄模様をした「ヒョウモンダコ」(豹紋蛸)が、同時に2匹捕獲された。猛毒のテトロドトキシンを含み、人間の死亡例もあるというきれいな海の危険生物。関係者は「海の異変で生息数が増えている可能性も」「海遊びなどで触ったりしないように」など注意を呼び掛けている。

 マダコ科ヒョウモンダコ属。体長10㌢ほどの小型ながら、唾液腺にはフグと同じ毒素のテトロドトキシンが。身の危険を感じるとこの唾液を吐いたり、噛み付いたりして注入。中毒で麻痺させられ、死亡することもあるという。

 徳之島町亀徳の漁業久林(くばやし)正弘さん(59)が同日未明、同海岸サンゴ礁リーフの浅瀬でタコ漁中、数年ぶりに遭遇。素潜り漁を主体に瀬端漁歴約35年の間に一挙2匹は初。「地域の子らや住民に注意喚起の必要がある」との一心で持ち帰り、所属漁協長や海洋生物に詳しい仲間にも情報提供した。

 県希少野生生物保護推進員で、海洋生物の調査保護活動にも長年携わってきた夜光貝工芸家・池村茂さん(66)=同町母間=は「私自身は10数年前に1度だけ確認。当時は危険生物の認識がなく、指でつまんで手の平にのせて観察後、実態を調べて驚いたことも」。

 日本の小笠原諸島、南西諸島以南の太平洋からオーストラリアにかけた西太平洋熱帯域・亜熱帯域に分布。浅い海の岩礁やサンゴ礁、砂れき底に生息するとされるヒョウモンダコ。

 一挙2匹の確認例に池村さんは「海水温の上昇など海の異変で生息数が増えている可能性も。見つけても触ったりしないで欲しい」。またイザリ漁対象の小型タコ(地元名・シガヤ―やシガイ=和名・ワモンダコ)についても「噛まれると一応毒があるのでご注意を」とも付け加えた。