徳之島地域 赤土新ばれいしょ「春一番」出発式

有利販売に期待を込めテープカット。徳之島地域赤土新ばれいしょ「春一番」出発式=28日、天城町
 

 

「寒波・突風被害」懸念も
推進目標「1万㌧・20億円」

 

 【徳之島】2023年産徳之島地域赤土新ばれいしょ「春一番」出発式・かごしまブランド産地指定10周年記念大会(同「春一番」連絡協議会およびJAあまみ徳之島・天城両事業本部主催)が28日、天城町防災センターであった。定時・定量・定質出荷による推進目標「1万㌧、20億円突破」。消費者に信頼されるブランド産地化の推進もあらためて決意した。

 徳之島3町の生産者や北海道の種子産地などJA、行政、本土青果市場の関係者ら含め約300人が出席。「春一番」連絡協の中山浩樹会長(JA天城地区園芸部会長)と同JA天城事業本部の上岡重満統括理事が開会あいさつ。中山会長は24日ごろの寒波と突風によるばれいしょの倒伏・塩害を懸念しつつも「風は南から、徳之島の春一番を全国に届けよう」とアピール。

 県側(赤﨑久一徳之島事務所長)が徳之島、天城両地区園芸部会長に15年目の「かごしまの農林水産物認証制度(K―GAP)」の認証を伝達。生産組織のリーダーを務めブランド産地化に貢献し昨秋「黄綬褒章」を受章した樺山博良さん(伊仙町)と、県功労者表彰の川上福良さん(徳之島町)の功績もあらためて披露してたたえた。

 今期のJA共販計画は、▽徳之島事業本部(徳之島、伊仙両町)290㌶、5220㌧▽天城同は201㌶、3700㌧で計491㌶、8920㌧。産地推進計画(達成目標)には「出荷量1万㌧、販売額20億円突破」を掲げた。月別出荷計画は3月中旬をピークに4月下旬までを見込むが、突風・塩害による生育被害しだいではずれ込む可能性も。

 生産・販売に向けては①適期収穫に努め、良質なばれいしょの出荷②ドローンなど活用による病害虫防除③ほ場選別の徹底④生産履歴の提出、安心・安全なばれいしょの生産⑤販売促進、高値取引の確保⑥定時・定量・定質の選別・出荷に努め、ブランド産地の「春一番」銘柄確立―などもあらためて確認した。

 森田弘光天城町長と種子供給産地「JAそらち」(北海道)の山本博行代表組合長の祝辞に続き、県経済連野菜事業部(串町英明部長)と市場代表(関東・中京両地区2社)が情勢報告。選果選別の徹底による品質管理と安定出荷を要望し、市場側は有利販売への努力を約束した。

 「春一番」の歩みも回顧しつつ、本格出荷へのテープカットや「がんばろう」三唱で決意。引き続き県農業開発総合センター野菜研究室の池澤和広室長が「赤土新ばれいしょ『春一番』今までの10年、これからの10年、徳之島の役割とは」と題し講演した。