ヒカンザクラ 新たな花見ポイントに

ヒカンザクラの新たな花見ポイントとなりつつある私設「大野原公園」=29日、徳之島町井之川

徳之島町井之川・私設「大野原公園」

【徳之島】三寒四温のなかにも南国の春の装いを感じさせる「ヒカンザクラ」の開花だよりが広がっている。徳之島町井之川地区では地元の有志が「高齢者ら住民が花見を楽しめる場を」と約6年前、雑木林を私費で開墾して植えた約70本が成木化。徳之島の新たな花見ポイントとなりつつある。

場所は県道と町道「旭ヶ丘入口」交差点から同集落方向に約1㌔付近の右側。「大野原(ふうのばる)公園美化活動記念植樹、平成28年11月吉日、井之川高齢者クラブ・NPO法人徳之島『夢』振興会議」の小さな看板。そして眼下に広がる満開のピンクが目印だ。

「大野原公園」設置の仕掛け人は、同町井之川出身で元学校長・町監査委員の横浜健二氏(昨年2月死去・92歳)。その義父の遺志を継ぎ、天城町から毎日通い管理を続ける中水勝久さん(73)=同町岡前。北側には徳之島の最高峰・井之川岳が眼前に迫り、東の水平線には与路島や請島の島影。眺望や自然環境に加え、「ヒカンサクラの開花も島内では早い。あと2週間程度は楽しめると思う。自由にご利用いただきたい」と中水さん。

晴れ間がのぞいた29日、中水さん夫妻の友人や家族など約15人が訪れ、花見と食事会を楽しんだ。天城町浅間の保和吉さん(66)は「3年前から毎春訪問、花は年々ボリュームアップしている。横浜氏の先見の明と行動が素晴らしい。新たな桜の花見ポイントとして交流の輪が広がって欲しい」と話していた。