大熊町内会、独自の「防災計画」策定

地区自主防災計画をまとめた村野さんの報告に聞き入る大熊町内会住民たち

地域に合った避難・体制を
市・防災アドバイザーが支援

奄美市名瀬の大熊町内会(畑秀義会長、約380世帯、約1000人)は28日、地域独自に災害時の避難行動や避難所の運営体制などを決めておく「地区自主防災計画」を策定し、発表した。県防災アドバイザーの村野剛さんが住民から出た意見を整理し、計画書にまとめて報告。今後は住民同士が情報共有を図りながら、実効性ある避難所運営や防災行動につなげていく。

奄美市事業で、B&G財団の「防災拠点設置および災害時相互支援体制事業」を活用しアドバイザーを派遣。今年度は大熊と小湊の2地区が要望し、計画書策定を進めてきた。

大熊地区では、6月ごろから議論が本格化。町内会執行部や各運営委員三役らの地元住民約30人を中心に、村野さんや市危機管理室職員らが支援し、これまでに計5回の会合を開いてきた。災害は、豪雨や台風による水・土砂災害、地震や液状化、津波などを想定し、地域の実情に即した独自の指針を作成。村野さんがA4・16㌻の計画書にまとめ、この日報告した。

計画書では、▽警戒レベルごとの避難体制▽避難所運営▽防災訓練・備蓄▽役割分担―などの手順や方法が明記され、独自の防災マップや組織表、要支援者名簿、それぞれが個別に書き込む避難行動タイムラインや個別避難カードを添付した。報告会で概要を説明した村野さんは「計画書はあくまでスタートライン。情報共有や意見交換を重ねながらどんどん改善していってほしい」と呼び掛けた。

会後、畑会長は「これまで自主防災組織もあったが形だけのものだった。これからは運営組織や要支援者名簿などを早急に作り、訓練などを通して自主防災を向上させていきたい」と話した。村野さんは「大事なのは互助と共助。防災計画改善をみんなで進めながら、地域力や福祉力も一緒に高めていってほしい」とアドバイスを送った。

今後は地元住民が協議し計画書をアップデート(更新)。いざという時に備えていく。