タンカンの収穫に挑戦する大島支庁瀬戸内事務所の職員研修参加者
農福連携の取り組み学び タンカン収穫など体験
県大島支庁瀬戸内事務所は2日、2022年度新規採用職員研修を同町阿木名のタンカン農園などで行った。新規採用職員3人は、農福推進農業法人合同会社奄美(里山正樹業務執行社員)のタンカン農園や、㈱せとうち (同代表取締役)の相談支援事業所・多機能型就労支援事務所いすわんの作業場などを訪れ、農業と福祉が連携(以下、農福連携)の取り組みを理解し、利用者などとの交流を深めた。
同研修は、新規採用職員の識見を高め、自事業所内だけでなく地域内のネットワークを広げることなどにより、県職員としての着実な育成を図ることが目的。総務課用地管理係の早田里佳主事(42)、同課総務係の田之上咲季主事(23)、福祉課保護第二係の久保裕巳主事(24)が参加した。
合同会社奄美は、高齢化による農業従事者の減少を、企業などに就業することが困難な障がい者などに就労の機会を提供することで解消する、農福連携の取り組み推進している。
研修は、タンカン農園で県庁職員から同町の果樹栽培面積やタンカン栽培主要市町村、1年間の生育過程などの説明を受け、タンカンの収穫作業を体験した。その後、作業場に移動、収穫後のタンカンやミニトマトなど農作物の仕分け作業などを見学。就労する利用者とのコミュニケーションを図った。また、シイタケやミニトマトを試食した。
里山代表取締役は「職員による農福連携の理解が深まれば、民間にも広がる。また、今回の経験を鹿児島に戻った時に思い出し、奄美の特産物のPRをしてほしい」と語った。
久保主事は「地域とのコミュニケーションも図れ、実際の作業を体験できてよかった。今後の業務に生かしたい」と話した。