「にっぽん丸」4年ぶり徳之島へ

コロナ禍の荒波で4年ぶりに寄港したクルーズ船「にっぽん丸」(送別セレモニー)=4日夕、天城町平土野港

クルーズ観光復活に期待 地元熱烈に歓送迎

【徳之島】「珠玉の世界遺産3島めぐり」。乗客約270人を乗せた商船三井客船の「にっぽん丸」(2万2474トン)が3日の奄美大島に続き4日は徳之島・天城町平土野港に接岸。コロナ禍の荒波で4年ぶり。乗客たちは、観光振興を願う島民たちの熱い歓迎を受けて、自然遺産の森のトレッキングや名物の闘牛観戦などを楽しんだ。

同社が募集した「にっぽんの楽園クルーズ~奄美・徳之島・屋久島~」の一行。1日に横浜を出港して3日は奄美大島(名瀬港)に寄港、乗客たちはオプショナルツアーやフリーでマングローブ原生林やカヌーなども満喫。平土野港には4日午前8時ごろ接岸。同船としては2019年4月以来4年ぶり4回目。クルーズ船全体では10回目という。

念願の世界自然遺産登録は実現(21年7月26日)したが、コロナ禍の移動自粛に出鼻をくじかれた形で、「自然遺産登録効果」が実感できてない同島。久々の大型クルーズ観光船の寄港に、岸壁には徳之島3町の物産販売ブース(7店)や観光案内コーナーが満を持して設置された。

歓迎あいさつで森田弘光天城町長は「ようやく皆さまをお迎えすることができた。心から皆さまを歓迎します。世界自然遺産に登録された島の自然と文化を楽しんでください」などアピール。同船のゼネラルマネージャー福元剛さんに花束と記念品(額)を贈呈、福元さんは感謝を述べて記念のプレートを返礼した。

乗客たちは、▽世界自然遺産・剥岳林道トレッキング(徳之島、天城両町)▽闘牛観戦(徳之島町花徳闘牛場)▽早まわり観光(犬田布岬と犬之門蓋)の3班(大型バス)やフリー観光で同島内を満喫。乗客の三田裕弘さん(81)・福子さん(77)夫妻=神奈川県横須賀市=は「暖かい所へ長いクルーズをと参加。沖縄も奄美大島もほぼ毎年行っているが船旅と徳之島は初めて。闘牛の迫力も観たかった」と話していた。

午後4時半からの送別セレモニーでは、小中高生ら「結シアター手舞(てまい)」一行の勇壮な演舞や天城小金管バンドの演奏、天城町地域女性団体連メンバーたちの踊りで感謝。船は3島目の屋久島へと旅立った。