市議会報告会

地域の課題などについて議員と住民が意見交換した市民交流センターでの報告会

ソテツ被害対策や復帰検証も
3年ぶり、市民と意見交換

奄美市議会は3日夜、名瀬、住用、笠利の3地区で、それぞれ「市議会議員と語ろう会(議会報告会)」を開き、市民と行政課題などについて意見交換した。同市名瀬の市民交流センターでは、外来種のカイガラムシによるソテツ被害の対策を求める声や、今年で奄美群島の日本復帰70周年を迎えることから、行政分離や復帰運動に関する調査や検証の必要性を指摘する意見などが挙がった。

報告会は新型コロナウイルス感染症の影響から2020年2月に開催された第14回報告会以降、約3年間開くことができず、改選(19年10月)後は2回目の開催となった。

名瀬地区の会場となった同センターには市民16人が参加。議員5人が、22年度当初予算や議会活動状況などを報告、参加者らの質問や要望などを受けた。

奄美大島で発生している外来種のカイガラムシによるソテツ被害については、「1年以上前から被害拡大の恐れを市など関係機関に訴えたが、なかなか動いてくれなかった。被害が広がった後も対応が遅く、市民の危機意識も低い」など、同市や県などの対応を批判、市民への積極的な啓発活動の必要性を指摘する意見があった。議員側は、市や県などが連携して対策に取り組んでいることに理解を求める一方、各行政機関の担当課があいまいだったことから、対応が遅れた可能性を指摘、「窓口の一本化など迅速な対応ができるよう要請していきたい」などと述べた。

復帰70周年に関しては、展示会やスポーツなど様々なイベントが「70周年記念」を冠している一方で、「行政分離が始まった『二・二宣言』などについてあまり知られていない。もっと、米軍統治下の奄美の人々の生活や復帰運動について、市民に関心を持ってもらう活動をするべき」といった意見があった。

終了後、西公郎議長は、3年ぶりに開催された報告会について「議会や行政に対して厳しい意見もあったが、市民と直接顔を合わせ、話を聞く機会をつくることができて良かった。今回出された意見は、今後の活動にしっかりと生かせるようにしたい」と話した。