奄美駐屯地4周年記念行事

隊員指導のもと、体験試乗を楽しむ家族たち

行進や訓練、試乗で歓声
初の一般開放に3千人 隊員との交流楽しむ

 陸上自衛隊奄美駐屯地・瀬戸内分屯地の開設4周年記念行事が5日、奄美市名瀬大熊町の同駐屯地であった。この日は、行事に合わせて駐屯地を一般開放。招待客や近隣住民ら約3千人が観閲行進や模擬訓練を見学し、装甲車の体験試乗などに歓声を上げていた。

 同駐屯地の一般開放は初めてで、自衛隊の任務を知ってもらおうと実施。式典には、安田壮平奄美市長や鎌田愛人瀬戸内町長ら来賓を招き、奄美駐屯地司令以下約400人の隊員が参加した。

 式典で日髙正暁奄美警備隊長兼奄美駐屯地司令は隊員を前に訓示。「今年は奄美群島日本復帰70周年を迎える。隊員はこの奄美群島が一時的にでも他国の軍政下に置かれたことを忘れず、いかなる状況下でもこの奄美を必ず守り抜くという覚悟が求められている」と呼び掛けた。

 観閲行進では、中距離地対空誘導ミサイル(中SAM)や地対艦誘導ミサイル(SSM)など約40車両が行進した。模擬訓練では、高遊原分屯地(熊本県)から第8飛行隊も駆け付け、島しょ奪還を想定した訓練を披露。そつのない動きには、見学者からも大きな拍手が送られていた。

 式後は、体験試乗をはじめ、装備展示や制服試着、暗視装置体験などが行われ、親子らが列に並んだ。体育館では唄者らによる音楽ステージも開催。普段は入れない駐屯地を家族や親子らが駆け巡り、隊員らとの交流を一日楽しんだ。

 中SAMの体験試乗を楽しんだ市内在住の森然君(6)は「(訓練は)大きい音にびっくりしたけどかっこよかった。(体験試乗は)意外と速くて楽しかった」と喜んでいた。

 同隊は、南西諸島の防衛体制の強化を目的に2019年3月に開設。奄美駐屯地には、中距離地対空誘導ミサイル(中SAM)部隊や電子戦部隊など約400人、瀬戸内分屯地には地対艦誘導ミサイル(SSM)部隊など約210人が所属している。