新鮮な農産物の〝地産地消〟即売会も=5日、徳之島町山
新たな観光資源の「藍山の滝」(提供写真)=5日、徳之島町山
【徳之島】徳之島町北部の手々・金見・山(さん)3集落の住民有志たちが初企画した地域活性化イベント「サンサンフェスタ」(同実行委員会主催)が5日、山集落であった。新鮮な農産物の即売や食物バザー、地域に眠る歴史・文化・自然などの宝を生かした集落巡り、滝トレッキングツアーなどを提供。町内外からの家族連れなどを楽しませた。
少子高齢化・過疎化が顕著な同町北部3集落にあって、「地域の活性化と発展へ積極的なイベント開催を」と住民有志らが発起人となって数年前から企画。コロナ禍で遅れたが、地元農業法人代表の協力で農機具倉庫などを借りて実現させた。
会場には、旬のタンカンなどかんきつ類や新鮮な野菜・花苗類、竹かごやサンゴ礁工芸品などを展示即売。食物バザーコーナーではタコ焼きや焼きそばなどのほか、ヤギ汁とシシ(イノシシ)汁も人気を集めた。
これら室内イベントと並行して「藍山の滝トレッキングツアー」と「楽しく学ぼう山集落巡り」も併催。対価負担(参加費)制に家族連れなどが参加。隠れた自然景観や歴史ロマンに浸った。
家族4人で「藍山の滝」にチャレンジした同町亀徳の会社経営・池野大介さん(42)は「都会育ちの妻は島の自然が好きで、こうしたイベントにアンテナを張っている。私は自転車が趣味だが走るのは農道ぐらいだった。地元の人の案内がないと山歩きの滝には行けない。観光を通じてツアーガイドさん方の収入にもつながればいい」。
育てた新鮮野菜や山菜(タラの芽)などブースを設けた地元の松徳廣さん(71)は「島の活性化を考えたこの催しが浸透すれば地産地消にもつながる。ピーマンやキャベツは島外にも出荷中。地元需要の機運を高めるためにもこんなイベントは必要」と継続に期待。
発起人の1人・稲繁二さん(69)は「(隣の)花徳集落では既設の闘牛場に続き世界自然遺産センター(国)や町観光拠点施設計画が。山集落以北にも何らかの活性化対策施設を造るべきと思う」。イベントは「できれば来年も継続したい。有志や実行委員らスタッフの協力、そして町内外からお越しいただいたお客様方に感謝したい」と話した。