福元ブランド化を加速

機械を稼働し選果を見守る伊集院村長と関係者たち

タンカン一次選果施設稼働 式典やハサミ入れ式も
大和村

 大和村は7日、同村初のタンカン一次選果施設「農産園芸共同利用施設」を奄美フォレストポリス敷地内に整備し、稼働させた。格納庫を備えた施設で、昨年12月15日に完成した。今後は施設を活用し、福元地区タンカンのブランド化・産地化を加速させていく。

 施設は、木造平屋建てで建築面積は145・33平方㍍。選果機はS~3Lの5段階のサイズに自動で振り分け、1日当たり1~2㌧の選果能力がある。事業には奄美群島成長戦略推進交付金事業を活用し、総事業費は2938万円。2021年度から設計に着手し整備を進めてきた。

 同地区は湯湾岳の麓の丘陵地に広がり、高い標高と寒暖の激しい気候から果樹栽培などの有力地として注目を集めている。同地区では20戸ほどの農家がタンカンを栽培。近年は、少しずつだが若い生産者も就農し始めているという。

 同日は生産者や関係者らが集まり、稼働を記念した式典を開いた。伊集院幼村長は「福元のタンカンはみなさんから好評をいただいている。タンカン拠点として活用することで品質を高め、よりいいものを島内外に発送できれば」と期待を込めた。同地区でタンカン200本を栽培するJAあまみ大和村果樹振興会の藤村秀久会長(58)は「施設が近くにあることで効率も上がり、単収向上が図れる。施設を活用して技術向上、面積拡大も図りながら産地化を目指して行こう」と呼び掛けた。

 式典に先駆けては藤村さんの農園でハサミ入れ式も開催。今季の出来については「量は例年並みだが、着色もよく商品的には価値が高い」と話した。

 同村タンカンの今季の生産見込みは30㌧。共販12㌧を予定している。