「ふるさと探検隊」でワークショップ

宇検村芦検集落で行われた「ふるさと探検隊」のワークショップ。集落の課題や魅力について話し合う住民ら

「夢マップ」作成へ 宇検村芦検集落

 住民らが主体となって地域の課題や将来像などを考える「ふるさと探検隊」が7日夜、宇検村芦検集落であった。芦検公民館で開いた第2回ワークショップには、住民や行政関係者ら約30人が参加、10月に行った第1回の点検結果をもとに、地域の課題解決に向けた改善策などについて意見交換した。集落では、話し合いで出た意見などをまとめた「夢マップ」を、3月末をめどに作成、地域の課題可決や改善に役立てていくことにしている。

 ふるさと探検隊は、県の「中山間ふるさと、水と土保全対策事業」の一環で、「良好な農村環境の保全及び地域活動の活性化を図る」ことなどを目的に、県などの主導で1994年から県内各地で開催。同村では20年度の湯湾広下地区、21年度の田検集落に続き、3カ所目。奄美大島ではこのほか、龍郷町戸口地区(19年度)、奄美市住用町神屋地区(21年度)でも夢マップを作成している。

 芦検集落では10月にあった1回目のワークショップで、住民らが集落内を「集落」と「農地」の2コースに分けて、歩きながら道路や施設の整備状況などを点検、結果をもとに改善が必要な場所などを記した点検マップを作成した。

 今回は、点検時に指摘のあった場所について、課題解決に必要な改善策などについて話し合い、地域資源の評価や課題を整理し、解決に向けた改善策を検討したほか、観光など地域振興に向けた今後の取り組みなどについて、コースごとに2班に分かれて意見交換。住民でできることや行政に支援を要請すること、すぐにできるものや将来的な整備を検討していくものなどに分けながら、集落の将来像について話し合った。

 農地コースでは、同集落で古くから行われている伝統漁法「待ち網漁」を生かした観光体験の実施などの意見があり、参加した藤野茂幸さん(71)は、「新型コロナウイルスの影響もあり漁をする機会が少なくなっている。地域の観光資源として若い世代に引き継げるような取り組みをみんなで考えていきたい」などと話した。

 話し合い後は、コースごとの将来像について発表があり、同集落の前田勝彦区長(68)は、「集落の将来について、住民同士で話し合う機会ができて良かった。防災道路の課題なども住民同士で共有できた。集落の魅力をより多くの人に知ってもらえるよう、今回の探検学習をこれからの活動につなげていきたい」と話した。