徳之島地区 土砂流防パト・検討会

畦畔に観葉植物などを密植して、大切な耕土の流出防止に努めている優良事例=9日、伊仙町伊仙(提供写真)

優良耕作・無対策の両面巡視

【徳之島】徳之島地域土砂流出防止対策連絡協議会(会長・赤﨑久一県徳之島事務所長)の2022年度土砂流出防止合同パトロールと検討会が9日、伊仙町であった。耕作地の畦畔(けいはん)やのり面保護植栽で、畑地の表土流出防止に努めている優良事例と無対策ほ場の双方を確認。耕作に伴う表土流出防止の啓発継続もあらためて確認し合った。

県や3町当局、建設業協会などの関係者約20人が参加。まず、道路と耕作地堺の畦畔が除去され強雨のたびに畑の表土が流出し路面を赤く覆っている同町東部地区の無対策事例。対照的に、排水側溝と畑の境界線上に観葉植物の「センネンボク(千年木)」などを密植して、畑の表土流出に努めている伊仙中部海岸部の優良耕作事例の双方を巡視した。

同町中央公民館で開いた室内検討会の冒頭、赤﨑会長は「各種対策の実施で一定の成果は上がっていると思うが、依然として大雨後に流出が見られ、自然環境への影響を懸念。対策の向上を図り、世界自然遺産の島にふさわしい美しい海と自然を子どもたちに引き継ごう」とあらためて要請。

パトロールに関する意見交換で建設業協会側は「畑総(農地整備工事)後は、のり面に雑草などを生やして自然に返した方が流出防止にもつながると思う」と提案。伊仙・徳之島・天城3町の取り組み報告では、多面的機能支払交付金事業(水土里サークル)を活用した沈砂池内の堆積土砂の撤去や水路の維持管理などをそれぞれ報告。効果が期待る「ハカマブロック」供給の復活を求める要望もあった。

ほか、施肥などで土づくりした「大切な畑の土を流してしまうのはもったいない」との意見も。耕作に伴う流出防止の啓発継続も確認し合った。