世界自然遺産の〝宝〟をビビットに

平土野アートに加わって明るい元気を与えているたのちさんの壁画作品=7日、天城町

作品の仕上げに専念したたのちさん(7日)

ペン画作家「たのち」さん 天城町平土野

【徳之島】神奈川県在住のペン画アーティスト「たのち」さん(本名・田ノ岡高志さん36)が4~7日の4日間、天城町商工会青年部が進めている平土野アートプロジェクト(PJ)に参画。市街地の2カ所の壁面に、世界自然遺産の島の希少野生動植物たちを明るいビビットカラーでポップに描き、地域にも元気を与えている。

地域に元気

たのちさんは2016年に小学館スピリッツで漫画家デビュー。広告漫画やライブイベント、デザインなどを手掛け、全日本漫画選手権2位、ちばてつや賞奨励賞。バーニングマン2017にも参加。21年からはアーティストたちが即興画で競う「筆ロック」アートバトルも主宰するなどの実力派。

初来島による平土野アートPJへの制作参加は、町内での宿泊や観光分野を促進する天城町農泊協議会(山下保博会長)の招へいによるもの。同PJの推進協力にと約2年前から参加アーティストを探していたという。

徳之島との縁に「博多以南には来たことがなく、ぜひ来てみたかった」とたのちさん。制作のコンセプトは「世界自然遺産の島の徳之島などにしかいない面白い動植物たちがモチーフ。原色が好きなのでビビットなカラーで、気持ちが明るくなる作品にしたかった。名所の一つになれればうれしい」。

キャンバスは平土野市街地の喫茶店と、町が新たに整備した駐車場横の壁面との2カ所。平土野アートPJには「私が東京で主催するアートイベント参加している作家たちも来てくれるかもしれない」とも。

農泊協事務局の大間麻子さん(29)は「世界自然遺産の登録効果で今後、徳之島にいらっしゃる方がたぶん世界各地に広がると思う。アートには国境を越えて感じることのできる素晴らしさが。協議会もアートプロジェクトの進展に協力。その土台が天城町と平土野から徳之島全体に広がってくれれば」と話した。