島のこども食堂応援しよう

募金箱への寄付を通した「島のこども食堂応援基金」への協力を呼び掛けるNPO法人「たくして」の園田愛美理事長(9日、奄美新聞社で)

支える基金へ募金箱設置、協力呼び掛け NPO「たくして」

県内にあるこども食堂のうち、かごしまこども食堂・地域食堂ネットワーク加盟は、離島では奄美群島が目立つ。物価高騰の影響で食材の工夫や弁当容器の切り替えなど継続に向けた取り組みが求められている中、こうした島のこども食堂運営を応援しようとNPO法人かごしまこども食堂支援センター「たくして」(園田愛美理事長)は基金を開設、寄付を呼び掛ける募金箱設置を進めている。

「島のこども食堂応援基金」は、同NPOが今年1月に休眠預金等活用事業で立ち上げた。地理的な環境に左右されず、どんな地域でもその地域の特色を生かし、子どもや地域の人々の交流と見守りができる子ども食堂の広がりを目指している。9日、奄美新聞社を訪れた園田理事長は「古里から離れていても地元を支えたいという出身者、さらに奄美を訪れている観光客、そして島民のみなさんの協力をお願いしたい」と呼び掛けた。

基金による活動は▽離島では物資の運送には多大なコストが掛かることから、預かった寄付を「運ぶ」部分に活用▽食材や調味料など「食べるために必要なもの」の購入費▽運営に欠かせないボランティアの保険など食を通した安全な活動サポート―など計画。活動展開の根底となる基金への寄付を募るため、各島を園田理事長らが訪れており、趣旨を説明した上でホテルなどの観光施設や企業、団体、行政機関などの窓口に募金箱設置をお願いしている。また、「たくして」のホームページや募金箱に設置する振込用紙付きパンフレットを使って島外でも寄付活動を展開している。

奄美群島での募金箱設置協力呼び掛けは7日の喜界島を皮切りに、8~10日まで奄美大島、18~19日徳之島、21~22日沖永良部島、27~28日与論島を予定。NPOは「基金が安定することでこども食堂が島で『立ち上げやすく、続けやすい』環境を整え、維持していきたい」としている。

NPO法人「たくして」は昨年4月、鹿児島市に設立。応援基金・募金事務局を担う。問い合わせは電話099・296・8210まで。