奄美大島ノネコ捕獲検討会

奄美大島ノネコ検討会に参加した関係者

「早く全島展開を」
ロードマップ見直し目標達成へスピードアップ

「2022年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会」(座長・石井信夫東京女子医大名誉教授、検討委員5人)が9日、奄美市名瀬の市民文化交流センターで開かれた。同年度は、わなが道路全体に設置されるよう見直しを行い、ノネコの捕獲数(1月末現在)は86匹となり、18年7月開始時からの総捕獲数は405匹となった。今年度中にロードマップの見直しを図り、27年度の目標(管理計画期間)達成に向け、スピードアップを図る方針。

ノネコの捕獲は生態系の保全を目的に、環境省と県、5市町村が策定したノネコ管理画に基づいて開始した。検討会には学識経験者で構成する委員と関係者、島外からのオンラインも含めて参加した。

環境省の報告によると、22年4月~10月におけるノネコの低密度化を目指す重点捕獲地域は金作原、三太郎地域を含む6地域。ノネコの低密度状態の維持を行う低密度維持地域は、金作原、三太郎などを含む4地域それぞれ作業地位を変えて捕獲作業を行った。また11月以降は、新たに宇検村と大和村南を重点捕獲地域に加え、作業地域全体の面積は424・8キロ平方メートルになり、作業道路距離は409・0キロメートルで実施した。

22年4月から12月にわなにより捕獲されたノネコ73匹のうち、不妊手術済の個体が35匹と全体の約半数となった。

閉会にあたり石井座長は「確実に成果をあげている事業なので、できるだけ早く全島展開してほしい。他の地域、島へのモデル事業と言う意識をもって取り組んで」と述べた。

今後の方針として環境省奄美群島国立公園管理事務所・阿部愼太郎所長は「今年度内にロードマップを修正し、27年度の目標達成に向けスピードアップを図る」と話し、新聞などで報道された、徳之島のアマミノクロウサギが犠牲になった事故については「本来死ななくてよい命が失われ大変申し訳ない。今後は対策をしっかり行い、再発防止を務める」と話した。