奄美市居住支援協を設立

住宅確保要配慮者を官民連携で支援する「奄美市居住支援協議会」の設立総会

官民連携 セーフティーネットに空き家など活用

低所得者や高齢者、障がい者などの住宅確保に配慮を要する人たち(住宅確保要配慮者)に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づき、民間賃貸住宅を活用した居住生活支援など持続的な支援体制構築を図ることを目的とした「奄美市居住支援協議会」の設立総会が13日、市役所であった。同市の不動産、福祉医療、司法、行政関係部署の担当者らによる官民連携のパートナーシップ組織。今後、専門部会などを設置し、住宅確保要配慮者と賃貸住宅に関する情報などを共有、連携した居住支援を行っていく。

総会では、協議会の設置要綱や役員の選出、2023年度事業計画および予算の4議案について協議、原案可決。市プロジェクト推進課と市社会福祉協議会に事務局を設置。会長に安田壮平市長、副会長に市社協の福山敏裕会長、監事に司法書士の里村紀幸氏をそれぞれ選出した。23年度予算250万円は全額国庫補助金を充てる。

23年度事業計画では、不動産事業者や福祉従事者、行政担当者らの垣根を超えた連携強化と、持続可能な居住支援が行える支援体制の構築を目指す。具体的には、居住支援を実践する事業所への情報発信や相談窓口の体制強化、空き家を活用したセーフティーネット住宅の確保などに取り組む方針で、7月までに不動産や医療福祉などの専門部会を設置、居住支援のための課題の抽出や取り組みの優先順位などについて協議する。

総会後には、官民連携による居住支援体制づくりに詳しい日本大学の白川泰之教授(社会福祉学科)がオンラインで基調講演。白川教授は、「高齢者や生活困窮者の多くが、住宅の確保や家賃(ローン)の支払いに不安を感じている」などと指摘。「住宅政策と福祉政策を一体的、ワンストップで取り組むことができる体制の確保が求められている」とし住宅提供時の相談体制の連携強化と入居後の福祉相談や見守り体制の整備まで、連続した支援が行える仕組みづくりを呼び掛けた。