観光拠点施設 24年12月オープンへ

2024年12月オープンを目指す「徳之島町観光拠点施設(実施設計段階)」住民説明会=14日夜、同町花徳生活館

世界自然遺産に連動 北部地区振興に期待
徳之島町住民説明会

 【徳之島】世界自然遺産登録に伴い環境省が徳之島町花徳地区に整備する「徳之島世界遺産センター(仮称)」に連動・併設を目指す「徳之島町観光拠点施設(実施設計段階)」の住民説明会(町主催)が14、15日の両夜、花徳生活館と町生涯学習センターであった。「徳之島の自然・人・文化が島を伝え、心をはぐくみ、人をつなぐ」をコンセプトに「道の駅」への登録、24時間対応の観光情報発信拠点化も検討。施設を有効に生かすPRなど要望もあった。

 説明会は同町役場花徳支所(北部振興対策室)が開いた。同拠点施設の設置場所は世界遺産センター(仮称)とともに同島北部の天城岳山系を望む同町花徳の県道沿い。花徳生活館での説明会には地元住民を中心に46人が出席。

 高岡秀規町長は開会あいさつでの中で「東天城地区(旧東天城村)は昭和33年に(当時亀津町)と合併後に疲弊したのではとの懸念も。北部地区振興を進める中での世界自然遺産登録。遺産センターと町観光拠点施設(併設)を通じ、先祖が残した自然の素晴らしさの紹介や産業振興に」などと協力を求めた。

 概要説明によると、▽徳之島世界遺産センター(仮称)の主機能が展示・研修施設、体験プログラム提供、情報発信、調査研究などに対し、▽町観光拠点施設は、観光案内をはじめ飲食・物産販売、イベントスペースなどを設置し、「道の駅」登録(国交省申請)を目指す。

 町観光拠点施設の基本方針は、①徳之島の伝統文化、地域産業を通して島を伝える拠点施設②同島の豊かな自然や温かい島の人々に触れ、心を育む拠点施設③同町北部地区を起点として横断的な魅力の発信により地域と人をつなぐ拠点施設。最大利用時は400人を想定。観光情報はタッチパネル式表示を含め24時間(夜間は無人)対応を検討中。

 財源的には2023年度からは奄美群島振興交付金を活用。実施設計に続き24、25年度にかけて建設。概算事業費見込みは約5億円(うち町負担約1億8千万円)。24年12月のオープンを目指す。

 花徳生活館会場で住民たちからは「世界遺産センター(仮称)はイメージがわかない。徳之島の魅力をPRできる展示を」、「車を運転できない観光客への交通アクセス利便性の確保」、「PRしないと来てくれないと思う」、「イベントスペースは天候に配慮して屋根を付けるべき」など要望も。

 PRについて高岡町長は「SNS発信担当職員も配置して強化」。ほか、物産販売の出品対象者については「基本的に誰でも参加できるようにしたい」とした。

 15日夜の町生涯学習センター(亀津)会場には住民約43人が参加した。