県下一周駅伝、18日号砲

強化練習に励む選手たち=12日、龍郷町

Cクラス優勝、Bクラス復帰へ
大島チーム、巻き返し目指す

 第70回県下一周市郡対抗駅伝競走大会(県、南日本新聞社主催)は18~22日の5日間、鹿児島市役所を発着点に53区間、583・0㌔で県内12地区の代表選手が覇を競う。大島チームは1年間の合同練習やレース経験を通して、選手やチームの技術、精神力を磨いてきた。目標は「Cクラス優勝・Bクラス復帰」。前大会の悔しさを胸に、総合9位からの巻き返しを狙う。

 2022年は、前大会終了後から合同練習を週1~2回に増やし、レベルアップを図ってきた。夏場はクロスカントリーなどで走り込みを徹底し、秋ごろからはスピード強化に注力。実戦感やペース感覚を養うための8000~1万㍍も計画的に取り入れるなど、質・量ともに昨年を上回る練習をこなしてきた。

 前大会は、初日9位から3日目は7位まで順位を押し上げたものの、長期遠征の疲れもあってか後半に失速。目標の8位「Bクラス死守」には後一歩及ばなかった。

 出場7回でエースとしてチームを引っ張る登山幸一(26)も「この1年間は悔しさを忘れず練習に取り組んできた。15㌔走も意識して増やした。自己タイムも伸びており去年よりも体調はいい。終盤の粘りにもつながるはず」と進化を強調。「一つでも上を目指し、前目前目でチームを引っ張っていきたい。みんなに勢いをつける走りができれば」とリベンジを誓う。

 15日は、最後の合同練習を奄美市の名瀬運動公園で行い調整を終えた。川元英経監督(46)は「社会人の状態も上がり、しっかりと仕上げてきている。それぞれが力を発揮できればBクラスにも入れる」と力を込める。

 ライバルは前大会で後塵=こうじん=を拝した指宿との声も根強い。「今年は練習が多くなった分、飲み会も増えてチームの団結力も高まった。一人ひとりがチームの底上げも感じている」と登山。「みんな力をつけており頑張るという雰囲気が高まっている。雪辱を果たしたい」と前を向く。

 チームは17日に上鹿。号砲は18日午前9時。捲土重来=けんどちょうらい=、Bクラス返り咲きを目指して、白のタスキをつなぐ。

 大島チームの登録選手は次の通り(敬称略)。

 【県下一周市郡対抗駅伝】▽監督 川元英経▽コーチ 町田学、内田孝志、下田清一、古沼寛之、佐多勝、池健夫▽マネージャー 三浦光広▽選手 岸田幸介、岸田賢吾、重野竜太、田島大志、古庄孝基、伊藤優輝、井出迫正大、蘇梅清、山田勇基、吉隆之輔、安達卓之、西航一郎、國島毅、石峯三穂、登山幸一、豊藏規久、中山謙、石峯穂垂、鶴野大地、伊口大輝、村山仁一郎、有山龍宝、亀山隆一、矢野陽大、濱川輝太、政仁斗、花輪琉太、市来崎靖幸、大山倖汰、宝永唯斗▽特別枠(中学生) 孝志瑛太、俊岡玲人、新保翔生、前田悠伍

 

「状態上がってきている」
川元監督インタビュー

強化練習で笑顔を見せる川元監督

 前大会総合9位からBクラス返り咲きを目指す大島チーム。川元監督に大会に向けたチームの決意などを聞いた。

 ―前大会を振り返って。

 1回目はしっかり走れたが、3回4回と(出番が回ってくると)息切れする選手も多かった。つなぎの区間でも踏ん張りがきかなかった。そういった意味では今年の方が期待はできる。

 ―十分な練習はできたか。

 故障者も多く入れ替えが激しくなったが、高校生も4・5人入り、ここに来て状態もよくなっている。社会人は走りも安定し、しっかり仕上げている。力は発揮できる。

 ―レースに挑むにあたっては。

 國島、登山を中心に豊藏ら若手が力をつけている。つなぎで頑張れる選手も出てきている。(國島らには)エースの自覚を求めたい。自分がチームを引っ張るという意欲を持って、力強く走ってほしい。

 ―目標は。

 Cクラス優勝、さらに一つでも上を貪欲に狙っていきたい。5日間の長丁場、体調管理にしっかり気を付け、乗り越えることができれば結果はついてくる。準備を欠かさず、まずはしっかり当日を迎えたい。

 ―島民に決意を。

 今年は奄美群島日本復帰70周年の節目。(県下一周駅伝は)一つ目の大きなイベントにもなる。いい形でみんなに勇気や元気を届けたい。直接来るのは難しいかもしれないが、テレビや新聞を見て選手を応援してほしい。