富国製糖 天候不良影響春植え推進期間で調整へ

天候が回復した16日は製糖原料のサトウキビが次々と持ち込まれた

原料処理が遅れ

奄美市笠利町の富国製糖奄美事業所(有村成生社長、中山正芳所長)の2022~23年期の製糖状況(今月16日現在)で、サトウキビ原料処理の進捗=しんちょく=率は57・0%となり、やや上昇したものの計画に対し2日分遅れている。雨天時はハーベスタ(収穫機械)が稼働できないなど天候不良が影響しており、春植え推進期間の日程短縮で調整していく。

品質良好 基準糖度帯以上95・4%

今期の生産量見込みは、前期実績比1136トン増の2万7千トン。4年連続の年内操業となる昨年12月13日に製糖開始、圧搾終了3月22日(製糖終了同24日)、製糖期間102日、1日当たり圧搾量420トンを計画している。

計画に対する16日までの原料処理量は1万5384トン。進捗率は今月上旬の50・9%より伸びたが、前期(60・7%)を下回っている。品質の方は1月下旬の寒波による強風でキビの葉先が破れたり、黄色くなることもあり糖度が停滞することも。現在の平均甘しゃ糖度は14・77度(前期15・45度)で、前期を下回っているものの、基準糖度帯以上が全体の95・4%(13・1~14・3度25・4%、14・4度以上70・0%)と高い割合にあり、品質は良好だ。

現在の収穫面積は535ヘクタール(うち奄美市笠利町が505ヘクタール)。生産農家の高齢化が進む中、生産量の安定確保・増産には面積拡大が課題となっている。今月8日には富国製糖内で春植え推進出発式を行ったが、今期の目標面積は93ヘクタール(奄美市85ヘクタール、龍郷町8ヘクタール)。富国製糖では3月いっぱいの植え付けを呼び掛けている。

なお、今期の平均買入価格(トン当たり)は原料価格8150円、交付金1万6513円の計2万4663円。前期との価格差は23円上回っている。