伊仙町「ふるさとレストランPJ」

伊仙町ふるさとレストランPJ「シェフツアー」で、地場産食材の創作料理の披露・試食交流も=20日夜、同町ほーらい館

各生産者が持ち寄った自慢の地場産品

中華料理の一流シェフら招へい
地場産品で創作料理披露も

【徳之島】ふるさと納税の返礼品食事券にもリンクさせて地場産食材・商材をPRする「ふるさとレストランプロジェクト」事業に取り組む伊仙町では20~21日、東京や横浜の著名な中華料理レストラングループのオーナーシェフ2氏を招へい。徳之島の農林水産物の生産加工者との意見交換会や、それら食材を使った創作料理実演と試食会、各生産現場視察などで交流した。

同町ふるさとレストランプロジェクト(PJ)は2017年度から取り組んでいる。首都圏などの一流レストランの著名なシェフらが発掘した同島産の食材で新メニューを開発。その食事券をふるさと納税返礼品に加えている。契約店は日本料理およびフランス、中華料理など計6店舗・グループ。「シェフツアー」は同納税の促進と併せて地場産食材の販路開発などPRが目的。コロナ禍の移動自粛で水を差されたが今回で3回目。

初来島したのは、▽「Wakiya一笑美茶樓(イチエミチャロウ)」(東京・赤坂)オーナーシェフでメディアでも活躍する脇屋友詞氏(64)=厚労省の卓越した技能者(現代の名工)受賞や黄綬褒章受章▽「4000ChineseRestaurant―南青山」総料理長で、同グループ店オーナーで料理番組などでおなじみの菰田(こもだ)欣也氏(54)。

初日は、伊仙町内の天然塩や黒砂糖、黒糖焼酎など工場も視察。同町ほーらい館(調理室)で農畜産物や魚介類など地場産品の生産者ら約20人の自己紹介とミニ・プレゼンテーションも交え交流した。

この後、脇屋・菰田両シェフは、収穫最盛期のバレイショなど野菜類から黒豚精肉、サトウキビバカス培地で育てたキクラゲ、鮮魚やイセエビや、夜光貝など海鮮食材もチョイス。味付けもニンニクやショウガ、島トウガラシ、黒砂糖、黒糖焼酎(原酒)、シークニン(在来種島みかん)、ハチミツなど地場産を駆使した創作料理の数々を披露。

脇屋氏ら「可能性がある食材が多い。特に、豚のあばら肉は、脂身に旨味あって最高に良かった。キクラゲもめちゃくちゃおいしく興味がある」など感想も。

熱心にメモを取っていた農業生産・販売法人代表の幸山恵美子さん(町内)は「生産しているバレイショ料理にも興味があり、とってもおいしかった。新たな味付け方法を真似てみたい。ネット販売と併せて料理レシピも紹介したい」とニッコリ。

同事業主管の町未来創生課の佐平勝秀課長(43)は「一流シェフと生産者の顔の見える関係、双方のニーズを知り合うのも目的。青果物にとどまらず、地場産品全ての潜在能力を一流のシェフに調理して引き出し、良い意味での〝化学変化〟をアピールできたらと思う」と話した。

21日は島内の各生産現場など9カ所を視察した。