新成長戦略ビジョン策定

策定された新ビジョンを手に原口座長(左6人目)と12市町村首長ら

懇話会、市町村長会に提言
3柱軸に自然継承や仕事創出

奄美群島新ビジョン懇話会(座長・原口泉志學館大学教授)は、目指すべき奄美群島の姿を示す「奄美群島成長戦略ビジョン2033」案などの提言をまとめた。奄美市名瀬市民交流センターでは21日、原口座長が奄美群島市町村長会会長の高岡秀規徳之島町長に提言書を手渡した。新ビジョンは市町村長会で原案通り可決。同日付で策定された。

新ビジョンは、2023年度末に期限を迎える「奄美群島成長戦略ビジョン」に続く、奄美群島12市町村の新たな10年(24―33年度)のあるべき姿を描くもの。21年10月に作業部会を立ち上げ、首長や行政、有識者ら17人の委員で構成する同懇話会などが策定を進めてきた。

市町村長会では、原口座長が「奄美群島が目指すべきミッション(使命)とパッション(情熱)が詰め込まれた。地域と一体となって進めてほしい」と述べ、提言書を提出。高岡会長は「12市町村の意見が相当深く盛り込まれた。柔軟さがあり(奄美が離島の)モデル地区になる第一歩だと思っている。一致団結して取り組んでいきたい」と話した。

新ビジョンでは、「つなぐ宝」(資源・価値)、「稼ぐ力」(経済成長)、「支える基盤」(基盤)の新たな三つの柱を軸に、自然と文化を守り継ぎ、仕事の創出に注力した産業振興を推進する基本理念が掲げられた。三つの柱には、実現を支える3~4分野にわたる取り組みを設定。分野ごとに基本方針や主な方策も示した。

新ビジョンは県にも提出。新年度からは奄美群島広域事務組合を事務局に、各市町村で基本計画や実施計画の策定を進めていく。