首都圏若者ら、島暮らし体験

タンカンの収穫作業を手伝う「JALふるさとワーキングホリデー」参加者たち

JAL、大和村で「ワーホリ」
就農や6次産業化

 地域の暮らしを体験する「JALふるさとワーキングホリデー」が12日から、大和村で始まっている。首都圏の若者ら19人が同村に滞在し、農作業を手伝ったり6次産業化を学ぶなど、島での仕事や暮らしを体験。働く村民との交流を深めながら、新たな価値観や将来のあり方を探っている。

 農林水産省の農山漁村振興交付金を活用し、JALが地方に思いを寄せる都市部の希望者を対象に募集。地域の課題解決や関係人口の拡大、移住マッチングなどを目的に、関東在住の学生らを中心に18~48歳の男女19人が来島し、2週間の日程で村内での就農や暮らしを経験していく。

 参加者らは、民宿やバンガロー施設に宿泊しながら、タンカン収穫やシイタケ駒打ちなどで農家をサポート。同村まほろば館では、ジャムやマーマレードの加工・製造実習にも取り組んでいるほか、休憩日には大自然でのアクティビティも満喫しているという。

 22日午前は、同村福元地区にある國副農園でタンカンの収穫作業を手伝った。参加者らはハサミや脚立を使いこなし、馴れた手つきでタンカンを摘み取って収集。カゴをトラックに積み込んでは、選果場へと送り出した。

 神奈川県在住で東京農業大学2年生の大山冬羽=とわ=さん(20)は初めての奄美来島で、島生活を「海がきれいで(人は)みんな温かい。ストレスフリーで農業と観光の両立ができるなど、環境の大切さが感じられる」と感想。就農などについては「島を行き来しながらの2拠点生活も目指せそう。いろいろ考えながら将来に生かしていければ」と夢を膨らませていた。

 午後からは、アマミノクロウサギなどから果樹を守るための保護ネット設置にも取り組んだ。実習は23日まで。24日には村内移住者らを招いた交流会も行う予定で、25日に帰路に就く。