住民参画で地域の課題を探る大勝校区のワークショップ
龍郷町が町の未来像を描く基本方針となる「第6次総合振興計画」策定に向け、校区ごとのワークショップを開いている。2024年度から10年間の取り組みに向け、住民の意見を聞き、政策に反映させようというもの。2023年度に、1年をかけて作業部会で体系的な施策をまとめ上げる。
14日の同町秋名校区を皮切りに円、龍郷、龍瀬の各校区で実施。22日は、大勝校区(川内・大勝・中勝・浦集落)が対象。大勝生活館に住民27人が集まった。「仕事」「特産品」「自然」「交通」「住宅」の五つの課題をグループごとに討議し、解決策(案)を導いていった。
町内に正社員として働ける企業がない▽不法投棄の解決策▽免許返納者の交通手段は?▽公営住宅が少ない―など課題を浮き彫りにし、「誰がどうすれば解決できるか」を住民自らが考えた。
住宅グループからは、「家屋の相続を進めているが、合意が取れず登記ができない」「貸せる家があるのに家具や荷物の始末ができない」「家を建てたくても農地転用が進みにくい場所がある」など具体的な例が挙がり、町企画観光課の職員がアドバイスする場面も見られた。
司会を務めた鹿児島みらい研究所・小久保一彦研究員によると、同校区は「労働環境の整備」の重要度が高く満足度が低い領域にあると分析された。商工業及び特産品の振興にも課題があると指摘した。
前日行われた龍瀬校区では、「雨天時に室内で遊べる施設がほしい」「狭い道を車がスピードを出して走る。安全確保策が必要」など子どもたちに対する意見も挙がった。
同課では、27日戸口、28日赤徳校区で同様のワークショップを開く。3月には高校生を対象とした開催も予定している。
全7校区で出された意見や要望、示された解決策は取りまとめられ、町ホームページに掲載、20集落駐在員会や議会などでも報告される。