県議会代表質問

沖縄連携や調和ある発展
県総合調査、奄振法条文改正示す
定住環境整備事業で 国費率かさ上げも

 3月定例県議会は24日から代表質問に入り、同日はいずれも自民党の瀬戸口三郎議員=曽於市区=、大久保博文議員=鹿屋市・垂水市区=が登壇。2023年度末(24年3月末)に期限を迎える奄美群島振興開発特別措置法の延長に向け県は今年度、総合調査を実施したが、原案で示している今後の振興開発の方向性について塩田康一知事は、沖縄との連携や調和ある発展へ条文を改正する必要性を挙げた。

 奄振法の条文改正では輸送コスト支援や運賃軽減などの拡充により沖縄との連携強化を図るとともに、知事は「沖縄振興に関する諸施策の条件を参考に定住環境を整備する事業について国費率のかさ上げを図る必要がある」と述べた。

 奄振交付金の拡充による対応では、▽地域の特性に応じた教育や地域文化の振興に関する事業を奄振交付金の対象に▽農業を取り巻く多種多様な課題に対応するため農業振興を図る関連事業全般に奄振交付金の対象を拡大▽デジタル技術を活用して地域課題に関する事業において国費率のかさ上げ―を図る必要性など原案では示しているとした。原案は現在、パブリックコメント(意見公募)を実施しており、県議会での議論を踏まえて報告書を取りまとめ、国の審議会に提出していく。

 国の奄振事業の23年度予算案内容は西正智・地域政策総括監が答弁。それによると公共事業では喜界島の国営かんがい排水の地下ダム工事、名瀬港の沖防波堤改良や臨港道路など、非公共事業は奄振交付金を活用し引き続き輸送コスト支援や航空・航路運賃軽減を図るとともに、世界自然遺産登録を契機に交流人口拡大を図るため沖縄と連携したプロモーションや群島内周遊の旅行商品造成、群島内全体に誘客・周遊を促進する取り組みを行っていく。

 県の23年度当初予算案編成では県税収入および地方交付税の見積もりに関する質問があった。山本周・総務部長は県税収入について「原油価格高騰による輸入取引にかかる地方消費税の増収や、課税総所得の総額の増加による個人県民税の増収が見込まれることなど踏まえ22年度当初予算に比べ総額で0・3%増の1581億5600万円を見積もった」と説明。今後の財政運営の見通しについては「地方交付税について厳しい調整が行われることが予想される。扶助費が増加、改修など要する県有施設費等が増加することを踏まえ引き続き予断を許さない状況が続く。歳入歳出両面において徹底した行財政改革に取り組む」と述べた。

 27日も代表質問がある。