与論島に革新を

事業プランを発表する裾分大喜さん=与論町砂美地来館=

コンテストで8組がアイデア発表

【沖永良部】地域課題の解決に向けたビジネスプランを提案してその内容を競うコンテスト「与論イノベーんちゅAWARD2023ワイたんDAY」(与論イノベーんちゅ創出実行委員会主催)が26日、与論町砂美地来館であった。高校生から一般までの8組が発表。審査の結果、同町の裾分大喜さんが提案した経営者の困り事を解決するためのプラン「協働大喜~専門家ネットワーク構築による経営者の困りごとワンストップ相談窓口~」が最高賞のイノベーんちゅ大賞に輝いた。

大賞は裾分さんの経営者支援プラン

コンテストは、地域課題を資源と捉えて新たなビジネスや価値を創出する人材を育成するのが狙い。昨年に続き2回目。入賞者には事業支援金などが贈られる。

コンテスト名の「イノベーんちゅ」は、イノベーションと島の方言で人を意味する「ぴちゅ」を合わせた造語。

町商工会の田畑克夫会長や県大島支庁の新川康枝支庁長ら審査員7人による評価点と観覧者投票で入賞者4組を決定した。

大賞の裾分さんは、経営に関する困り事を直接相談できる機会が地方では限られていることから、ワンストップ相談窓口を設け経営者と専門家をつなぐ事業プランを提案。「相談窓口で専門家の活用を促進すれば、経営者はやりたい事業に専念できて町の経済も活性化する」と熱く語った。

2年前にUターンした笠門浩一郎さんは、与論島をテーマにした無料ジグソーパズルアプリを開発し、島の魅力の発信と広告収入で島外からお金を呼び込むアイデアを発表。「島にIT系の仕事を作って移住支援と地域への還元を実現させたい」と訴えた。

阿多尚志さんは、サトウキビの生産量アップを目指して自身で開発した自動かん水システムを紹介。導入効果や市販品より低価格で提供できる理由を説明した。

与論高校2年の永野海璃さん、渉遥香さん、三浦未来さんの3人は、「生まれてから17年間、同じメンバーで刺激がない」などと告白。10代の若者のみで組織するボランティア団体を作り、島外の若者との交流イベントなどを開催する計画を伝えた。

コンテストでは、前回発表者が制作したオープニングムービーの上映や大会ソングの披露、1年間の活動報告などもあった。

裾分さんは「小さな島で、一人だけで頑張るのは大変。みんなで協力しあう意識を広めていきたい」と話した。

実行委員長の田畑香織さんは「発表されたアイデアの質とともに発表者自身のプレゼンテーション力も高くなっている。学びながら挑戦する島民が増えてほしい」と語った。

大賞以外の入賞者は次の通り。(敬称略)

▽阿多尚志「IT・IoT活用農業の導入」、優秀賞 笠門浩一郎「Yorocon‐Volly Project~デジマからはじまるヨロン革命」▽特別賞 永野海璃「10代がつくる青春」