県議会代表質問

受入先、要配慮者輸送が課題 国民保護計画 離島からの避難円滑化

3月定例県議会は27日、引き続き代表質問があり、同日は県民連合の遠嶋春日児議員=薩摩川内市区=、公明党の成尾信春議員=鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇。南西諸島の安全保障関係で国民保護計画に基づく離島住民の避難について県当局は、屋久島町からの避難を想定した図上訓練においても、より円滑な避難を実施するには住民の受け入れ先や要配慮者の輸送手段確保が検討すべき課題として挙がったとした。

離島急患 搬送で「仮通報制度」

こうした国の方針について知事は「わが国周辺を取り巻く安全保障環境は一段と厳しさを増す状況にあることを踏まえ、こうした国の考えは理解し得るものと考えている」と述べた。

「台湾有事」となる中国の台湾侵攻では、周辺島しょ部への攻撃も想定される。こうした場合の離島住民の避難について長島和広・危機管理防災局長は答弁で、図上訓練で明らかになった検討課題については「国、避難先自治体、関係機関と連携しながら具体的な対応を検討していく」と説明。今後、訓練の成果について離島をはじめとする全市町村と共有するとともに、地域特性を踏まえた訓練を繰り返し、振り返りを実施することで国民保護計画の実効性を高めていくとした。

学校でのマスク着用について東條広光教育長は国の方針を説明。「今年度の卒業式において児童生徒、教職員はマスクを着用せずに出席することを基本とすることを示すとともに、政府対策本部は新学期において学校教育活動の実施にあたってはマスク着用を求めないことを基本とする」とした上で、県教委としてはマスク着用に関し「基礎疾患があるなどさまざまな事情により感染不安を抱き着用することを希望したり、また健康上の理由により着用できない児童生徒もいることから、学校や教職員がマスク着脱を強いることのないようするとともに、児童生徒の間でもマスク着用の有無により差別偏見がないよう学校や市町村教委に指導・助言を行っていく」と述べた。

これまで離島からの急患搬送を担ってきた鹿屋航空分遣隊が先月廃止された中、新たな離島急患搬送体制(熊本、宮崎、沖縄、鹿児島の自衛隊などが連携して従来の搬送体制と同等の実効性のある体制構築)における所要時間に関する質問があった。長島危機管理防災局長の答弁によると、同分遣隊の廃止前では自衛隊への正式な派遣要請に至るまでの調整に「相当の時間を要した」ことから、正式な派遣要請の前に持ち込み敷材や患者の容体など出動準備のため必要最小限の情報により通報する「仮通報制度」が導入されている。長島局長は「これにより分遣隊廃止後は、廃止前と比べ飛行距離は延び、飛行時間が長くなるものの、同程度の時間は短縮されることになったものと考えている」と述べた。

3月1日から一般質問に入る。