県議会一般質問

医療従事者「危険手当」、今年度で終了
学校給食費無償化 県内10団体のうち半分は奄美

 3月定例県議会は1日から一般質問に入り、同日は東清剛議員=無所属、日置市区=、平良行雄議員=共産党、鹿児島市・鹿児島郡区=、西村協議員=自民党、枕崎市区=、田畑浩一郎議員=自民党、南九州市区=が登壇。新型コロナウイルス感染症関係では医療機関に支給している特殊勤務手当、いわゆる「危険手当」支給の支援(県独自の取り組み)は、今年度末で終了することが説明された。

 房村正博・くらし保健福祉部長が答弁。県では医療提供体制を確保するため、2020年度からコロナ患者の診療などに携わる医療従事者に危険手当を支給する医療機関に、国の地方創生臨時交付金を活用し助成を行ってきた。

 房村部長は、▽重症化しにくいオミクロン株が主流▽抗原検査キットを用いた自己検査の促進が図られている▽空床補償の一部は医療従事者の処遇改善の充当の義務付けがされた―など事業創設時と比べて医療従事者を取り巻く状況が変化していることなどを終了の理由に挙げた。また、財源としている地方創生臨時交付金が23年3月末までに清算手続きを終了する必要があることから、同年1月31日までの勤務実績にかかるものまでを支給助成の対象とするとした。

 県では、新たに創設された電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金を活用し、国が定める公定価格などにより運営を行っている医療機関や社会福祉施設などに対し価格高騰分の一部を支援するため、11月補正予算で26億9300万円余りを計上、関連7事業を実施している。支援の継続について房村部長は「全国的な課題であり、国の一元的な対応が必要であることから全国知事会を通じて医療機関や社会福祉施設等にかかる臨時的な公定価格の改定など早急に講じることや、全国一律の助成を行うことを国に求めている」と述べた。

 学校給食費の無償化については東條広光教育長が答弁。この中で今年度すべての児童生徒の学校給食費を無償にしている県内市町村は三島村、十島村、南さつま市、長島町、南種子町、大和村、宇検村、喜界町、天城町、伊仙町の10団体(自治体)と報告。県全体の半分を奄美の自治体が占めている。

 東條教育長は学校給食費について「学校給食法において保護者が負担するものとされているが、要保護世帯については生活保護法に基づく教育扶助等により全額支給、準要保護世帯は市町村から助成が行われ、その市町村負担には交付税措置が行われている。その他の世帯については一部の市町村で助成が行われている」と説明。県教委では、県議会が16年度に出した「子どもの貧困対策についての政策提言」を受け市町村に対し、準要保護世帯(生活保護に準ずる程度に生活が困窮し、援助が必要な世帯)にかかる給食費の助成について充実を図るよう助言や要請をしている。

 今年度、準要保護世帯に対し給食費の全額助成をしている市町村は、全世帯を無償としている10団体を含め25団体。助言を開始した16年度と比べ15団体増加した。