県議会一般質問

行動促す「動かすPR」コンセプトに 訪問意向高いも低い実際訪問受け

3月定例県議会は2日、引き続き一般質問があり、長田康秀議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=、池畑知行議員=自民党、伊佐市区=、米丸麻希子議員=自民党、姶良市区=、宝来良治議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇。新たなPR戦略の質問に関する答弁で、塩田康一知事は調査結果により鹿児島県への訪問意向は高いものの、実際に訪れたことがあるは低いことから行動変容につなげていくためPRコンセプトを「動かすPR」と定めたことを報告。知事はターゲットを絞って多彩な魅力を、ストーリーを伴った情報として発信していくことを強調した。

遊楽館、情報発信拠点役割「十分に果たしている」

知事が報告した調査によると、県内では屋久島や奄美大島など主要観光地の認知度は高く、鹿県への訪問意向は5年前の前回を22・5%上回る95・8%の高さにある。しかし「訪れたことはある」は35・5%にとどまっている。また、農畜産物について鹿児島県産品と認識した上で購入したことがある人の割合は多い品目でも2割程度にとどまっている。

この結果について知事は「県産品の購入や本県への旅行などの実際の行動を強く促すまでには至っていない」とした上で、昨年12月策定の新たなPR基本戦略に基づき「PRする素材によって地域や年代など考慮した上で、適切な情報ツールを活用し、ストーリーを伴って情報発信を行うなど効果的戦略的なPRに取り組む」と述べた。

悦田克己観光・文化スポーツ部長は新たなキャッチコピー「南の宝箱 鹿児島」について説明。豊かな自然や多様な食、個性ある歴史文化など魅力的な資源、すなわち「宝物」を数多く有していることを表現しつつ、宝物を探しに鹿児島を訪れてほしい、手に取って体験してほしいという意味を込めて決めたとした。

かごしま遊楽館の今後の在り方が取り上げられた。平林孝之・商工労働水産部長は「コロナの影響を受けているものの、2021年度の売上は約3億8千万円と首都圏にある都道府県アンテナショップの中で上位」と説明。年間30件以上メディアに取り上げられPR効果など「現在も首都圏において本県の物産や観光の総合的な情報の発信拠点としての役割を十分に果たしている」と述べた。ネット販売が普及している中でも首都圏の人々が手に取って感じることができる本物の商品を提供、情報発信機能を果たすことで伝統的工芸品のさらなるネット販売にもつながるとした。

一方、遊楽館3階のブランドショップは入館者数が減少している。平林部長は「情報発信拠点としての効果をさらに高めるため、県が連携協定を結んだ地域特産品のブランディング(ブランドを形作るための活動)に取り組む民間企業からアドバイスを受けながら効果的な商品展示や情報発信に取り組むとともに、県内市町村等のイベント会場としてブランドショップを積極的に活用していく」と述べた。