日米共同訓練「IF23」 徳之島で「水陸両用作戦」展開

徳之島で2回目となる日米共同訓練が行われた(3日、徳之島町・花徳海岸)

強襲揚陸艦「アメリカ」も公開

【徳之島】離島奪還を想定した、陸上自衛隊と米軍による日米共同訓練「アイアン・フィスト23(IF23)」(2月16日~3月12日)の一環で3日、徳之島町花徳海岸で着上陸訓練(水陸両用作戦)が行われ一般公開された。陸自水陸起動団ら約100人、米海兵隊第31海兵機動展開隊ら約100人、総勢約200人が参加。ほかにもこの日は、報道陣に対し強襲揚陸艦「アメリカ」を公開。島しょ防衛をめぐる、日米のさらなる連携の強化が強調された。

島しょ防衛 連携の強化強調

陸自によるとIF は日米共同訓練の一つで、「水陸両用作戦に係る行動を共同・統合により演練し、共同対処能力の向上を図る」ことが目的。2005年度開始以降、米カリフォルニア州で行われてきたが、日本では初。徳之島での日米訓練は、昨年11月に行われた日米共同統合訓練(実動訓練)「キーン・ソード23」に続き2回目。米海兵隊が徳之島で参加するのは初となる。

訓練は、午後0時30分に開始。沖合いの海自・輸送艦「おおすみ」、米海軍輸送揚陸艦「グリーンベイ」から離島奪還や防衛を専門とする水陸機動団、米海兵隊第31海兵機動展開隊の偵察ボート計27艇が上陸し、水陸両用車「AAV7」が同海岸沿いに7両展開。エア・クッション型揚陸艇「LCAC」(ホバークラフト)が姿を見せたほか、上空には日米双方の輸送機オスプレイ3機も飛来。日米各部隊による連携が、着上陸訓練を通し図られた。

母間から見学に来た男性(60代)は「徳之島3町の自衛隊誘致に賛成している。台湾有事を考えると、日米共同訓練は必要だと思う」などと話した。

またこの日、IF23の指揮所となった、徳之島から約100キロの位置に停泊していた強襲揚陸艦「アメリカ」(4万5570トン、全長257・3メートル)を報道陣に公開。短い距離で航空機の離発着が可能な、空母並みの機能を持つ航空甲板のほか、格納庫では、最新鋭のコンピュータ制御によって整備されるというF35Bステルス戦闘機の姿がみられた。

4日は、同海岸でこの日、天候不良のため延期となった第一空挺団による降下訓練を予定している。