県議会一般質問

外国船籍のクルーズ寄港は今年、奄美群島には奄美大島を中心に19回計画されている(名瀬港に寄港した「フォーレンダム」=資料写真)

奄美群島には19回計画 今年の外国船籍クルーズ寄港

3月定例県議会は6日、引き続き一般質問(最終)があり、向井俊夫議員=自民党、奄美市区=、安楽英美議員=無所属、鹿児島市・鹿児島郡区=、鶴丸明人議員=自民党、霧島市・姶良郡区=、大園清信議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇。向井議員が取り上げた「稼ぐ力」観光関連産業の質問に関する答弁で、今年計画されているクルーズ船寄港で外国船籍は奄美大島に14回など奄美群島には19回予定されていることが明ら かになった。新型コロナウイルス感染症の影響で国が停止していた国際クルーズ船の受け入れ再開により、世界自然遺産に登録された奄美にも外国人観光客の来島が本格化しそう。

新たなキャッチコピー「南の宝箱 奄美」など可能

悦田克己観光・文化スポーツ部長は答弁で国が取りまとめた情報を報告。それによると2023年の外国船籍で県内に寄港するクルーズは今年1月19日時点で99回の寄港を計画。うち県内離島へは奄美大島に14回、屋久島に10回、喜界島・与論島にそれぞれ2回、下甑島・諏訪之瀬島・沖永良部島にそれぞれ1回の計31回の寄港が予定されている。 

日本船籍による国内クルーズは、これまで県内離島を中心に寄港実績のある「ぱしふぃっくびいなす」を運航する日本クルーズ客船㈱が今年1月で事業を終了したため、現在「飛鳥Ⅱ」および「にっぽん丸」2隻での運航となっている。悦田部長は「船会社の発表によると2月1日時点で本県には今年10回の寄港が予定されており、うち県内離島へは奄美大島4回、屋久島2回、種子島・喜界島・徳之島それぞれ1回の計9回の寄港が予定されている」と報告した。

新たなキャッチコピー「南の宝箱 鹿児島」について向井議員は地名の置き換えは可能か質問。悦田部長は答弁で「農畜水産物のブランド力強化や観光誘致を目的に本県の魅力を広くPRし、県全体のイメージアップを図るため作成したもの」と説明し、県内の各地で「南の宝箱 奄美」などのように「後ろに地域名を付けて使用することは新たなキャッチコピーの浸透が図られることから活用していただきたい」と述べた。

国内航空路線の運航状況については西正智・地域政策総括監が答弁。それによると、コロナ禍で離島空港の乗降客数も首都圏からのLCC等の減便などにより21年まで大きく落ち込んでいたが、22年速報値は19年比で約87%まで回復。国内の航空需要は今後も回復基調が続く見込みという。西総括監は「引き続き旅客需要の回復に向け奄振交付金を活用し、奄美群島路線にかかる周遊旅行商品造成支援に取り組むとともに、新規路線就航につながるチャーター商品造成支援に取り組む」と説明した。

また、台風襲来時の船舶欠航長期化による生活物資不足の対応で航空機の利用について西総括監は「これまでの実態調査の中で事業者から航空機を活用した仕入れについては経営の観点でコスト高を懸念する意見もあったところだが、今年度実施している奄美群島振興開発総合調査においても『生活物資にかかる本土からの供給方法や島内での安定的備蓄方法の在り方について検討を行う』としている」として市町村とも連携し、どのような支援が図れるか引き続き意見交換を行っていくとした。