市議会一般質問

新年度からトンネル本体の着工が予定されているおがみ山バイパスの事業予定地(奄美市名瀬永田町、6日)

おがみ山バイパス、新年度にトンネル着工
住用城の拡幅、要望書提出へ

奄美市議会3月定例会は6日、一般質問を続開、伊東隆吉(自民党新政会)、関誠之(立民)、奥輝人(無所属)、和田霜析(自民党新政会)の4議員が安田壮平市長の政治姿勢や国道58号、名瀬本港地区埋立(マリンタウン)事業などについて質問。国道58号おがみ山バイパス事業の進ちょく状況について、市当局は、道路整備のための用地取得利率が90%を超えていることや、新年度の県事業として、トンネル本体の工事発注が予定されていることなどを明らかにした。供用開始時期など具体的な整備計画については、「工事の進ちょくや予算の状況にもよるため、現時点では具体的なことは分からない」としたうえで、「早期供用開始を目指し、県などへの働きかけを行っていく」考えを示した。

同市名瀬真名津町―名瀬永田町間を結ぶ延長約1・2キロのトンネルを含むおがみ山バイパス事業は、交通渋滞緩和や災害対応の強化などを目的に1998年度に都市計画が決定し、2002年度に事業着手された。しかし「地元の合意形成が不十分」などの理由から、09年12月にトンネル本体などの工事が中断された。その後、19年に事業再開が決定、約1・7キロのうちトンネル部分1225㍍が計画されている。

また、国道58号の住用町城地区内における道路拡幅については、同地区の地権者や集落区長などから拡幅に関する理解が得られたことから、市として、今月中にも塩田康一知事に、事業化を求める要望書を提出する方針が示された。安田市長は「奄美大島の大動脈として交通量も多い。地域の安全、防災の観点からも、拡幅が実現できるようにしたい」と述べた。いずれも伊東議員の質問に答えた。

マリンタウン事業については、伊東議員と関議員が質問。これまでに18区画のうち15区画(11業者)を売却および売却予定で、残り3区画については、新年度以降、改めて公募を計画している。また、既に売却先に決まっている1社との契約が進んでいないことについて、市当局は「今年度中の契約を目指している」とした上で、3月末までに契約が締結されなかった場合は「契約は白紙になる」考えを示し、事業者側に年度内の契約締結を強く求めていく考えを示した。

新型コロナウイルスへの対応などについては奥議員が質問。市当局は奄美大島の5市町村で組織する同島新型コロナ感染症対策本部会議(本部長・安田市長)について、コロナの感染症法上の位置づけが5月8日に季節性インフルエンザと同等の「5類」に緩和することに伴い、政府が新型コロナウイルス感染症対策本部を廃止する方針を示していることから、同島の対策本部についても同日付で廃止することを明らかにした。

和田議員は人口減少や市営住宅整備、空き家対策などについて質問。安田市長は人口減少が続いている一方で、人口減少率が15年度時のマイナス6・4%から20年度はマイナス4・1%に改善されたことや、都心部からの人口流入が流出を上回っていることなどを示し、「人口減少の中でも明るい兆しが見えている」などと述べ、移住、定住対策をさらに推進している考えを示した。