卒業記念に喜界高校3年生をモデルにフォトラベが撮影した写真
島を離れる生徒の思い出づくりに写真で応援しようと、旅するフォトグラファー集団「フォトラベ」の出張撮影が5日、喜界町であった。今年度卒業を迎えた喜界高校3年生35人をモデルに、島内で2日間のロケを敢行。特別な場所や心に残るスポットを巡っては、プロの技で思い出の一枚を切り取った。
フォトラベは「フォト×トラベル」。大阪や福岡で活躍するプロの写真家有志で組織。全国を巡っては、その土地ならではの卒業写真を残していこうと立ち上げた。
メンバーの山田悠喜さんは昨年3月に初めて喜界島を訪れた。島の風景や島民の温かさに感激した山田さんは「写真で力になりたい」と企画を立案。地元PTAらの協力もあり実現した。
モデルは同校3年生を対象に希望者から募った。フォトラベからは2人が来島。スギラビーチやサトウキビの一本道といった生徒が希望する場所を訪れては、仲間とのかけがえのない一瞬を次々と収めていった。
切り続けたシャッターは2日間で約1万枚。撮影に臨んだ同校の政木佳奈さんは「自分たちでは撮ることのできない写真ばかりで感動した。(3年間は)コロナ禍で学校行事の制限も多く、〝青春!〟っていう写真も少く、本当に参加できてよかった」と喜んだ。
山田さんは「初めての試みで不安もあったが、高校生も楽しんでおり、一緒に素敵な時間を作り上げることができたかなと思う」と安堵(あんど)。島の卒業生にとっては家族や友達と過ごす最後の1カ月。「青春時代を一生の思い出として写真という形で残す。思いに共感する人と共に、これからもシャッターを切り続けたい」と話した。
写真は厳選の上で生徒にプレゼント。フォトラベの公式インスタグラムでも公開予定で、今後は全国自治体でも同企画を広げていくという。