製造業者による審査が行われた大島紬原図コンテスト(9日、奄美市産業支援センター)
2022年度本場奄美大島紬原図コンテストが9日、奄美市名瀬の市産業支援センターであった。応募総数197点の作品を奄美大島紬協同組合員の製造業者が審査。製品化に向け約10点が選出予定。原図は10日午前10時から午後4時まで、同センターで一般公開される。
主催は、(公財)奄美群島地域産業振興基金協会(牧雅彦会長)。消費者ニーズに対応した、新感覚のデザインの導入、需要拡大に向けた、産地のリード商品づくりが目的。選出された原図は、1月末頃まで約1年掛けて反物として仕上げられ、来年2、3月頃に開催予定の「本場奄美大島紬原図展・製品化コンテスト」(翔べあまみ)で、県知事賞など入賞者を発表する。
20年度から児童生徒を対象にした応募部門が設定され、今回、奄美市、龍郷町、瀬戸内町の児童生徒から33点(29人)が出品。初めて高校生による応募(14点、10人)もあった。既成の図柄に捉われない、様々な色、デザインを用いた原図が並び、各製造業者が作品一つひとつを選別していた。
一般部門は、全国から164点(22人)が出品。京都の154点(18人)をはじめ、北海道3点(1人)奄美市4点(2人)、瀬戸内町3点(1人)だった。
前田紬工芸(龍郷町浦)の前田圭祐専務(36)は、前回入選した龍郷町の龍瀬小学校4年、碇山月子さん(10)の図案を製品化し「第34回本場奄美大島紬原図展・製品化コンテスト」で県知事賞を受賞。今回も児童生徒の作品を選出し、「今までにない珍しい柄。(約1年後の製品化に)間に合うようにしたい」と話した。
田畑絹織物(奄美市名瀬)の森山桃子さん(40)は「(コンテストは)全国から応募され、その中から新しい原図を選べる。高校生など若い世代の応募もあり、大島紬に興味を持ってくれてうれしい」と語った。