クロウサギと共存へ

嘉徳のタンカン畑に設置した、アマミノクロウサギ防護柵(提供写真)

3路線に4基設置した、アマミノクロウサギ交通事故防止看板(提供写真)

瀬戸内町 クラウドファンディング活用

瀬戸内町はこのほど、「世界自然遺産の島~アマミノクロウサギとともに生きる~」をテーマに、2021年度広域連携ふるさと納税型ガバメントクラウドファンディングの寄付金を活用し、「タンカン(樹木)食害防止柵」と「野生動物交通事故防止を啓発する看板」を設置した。

食害防止柵、事故防止啓発看板

奄美大島では、アマミノクロウサギによる農作物被害が増加。タンカンの樹皮食害の被害が大半を占め、同町によると、奄美群島の被害調査で被害額は、17年76万6千円、18年138万4千円、19年482万1千円、20年343万1千円と増加傾向にある。また、22年1月~12月のアマミノクロウサギの死体確認件数は、交通事故104件、不明・その他64件の合計168件となっている。

22年11月嘉徳のタンカン畑に、アマミノクロウサギ防護柵を延長250㍍設置。今月、町道網野子峠線に2基、林道嘉徳青久線と林道瀬戸内中央線に各1基のアマミノクロウサギ交通事故防止看板を設置し、合計10基となった。看板デザインは、町在住のイラストレーター、あいきじゅんさん。

同町は、看板を設置した路線を、アマミノクロウサギの交通事故要注意路線として、広報誌などを活用して周知していく。また、道路上でけがをしていたり、死んでいるアマミノクロウサギなどの動物を見つけた場合は、奄美野生生物保護センター電話0997・55・8620に連絡するよう呼び掛けている。