簡易宿泊施設「YUUNA―結那」

ふるさと納税宿泊券で4月1日から利用開始する簡易宿泊施設「YUUNA―結那―」=11日、徳之島町里久浜

 

 

地元関係者を招いてあったお披露目会セレモニー(円内はオーシャンフロントの室内から)

 

 

4月オープンへ「お披露目会」
高価、ふるさと納税で宿泊実現
徳之島町里久浜

 

 

 【徳之島】徳之島町の企業誘致で、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を企画運営する㈱トラストバンク関連企業が同町花徳の里久浜(りくばま)海岸に整備した簡易宿泊施設「 YUUNA―結那(ゆうな)―」(計5棟)がほぼ完成。お披露目会が11日午後、「東天城まつり」と併せてあった。㈱UI(ゆい)(本社・同町花徳、黒瀬啓介代表取締役)の管理運営で4月1日にグランドオープンする。

 徳之島町当局と、トラストバンク会長(創業者)の須永珠代氏が代表社員を務める「有徳合同会社」(群馬県伊勢崎市)間で昨年2月、高級別荘風の簡易宿泊施設を同町花徳里久浜海岸(モクマオウ防潮林帯=町有地)に整備する「企業誘致認定」協定を締結。計5棟の建設整備を進めてきた。

 規模は、敷地面積約7096平方㍍(3年間無償貸与)、高床式構造を含む木造一部RC造の計5棟(延べ床面積計491・4平方㍍)。コンセプトは、①窓越しに太平洋を一望できるぜいたく空間②一人でも家族・友人同士でもゆったりとくつろげる広さ③調理室スペースやサウナ、野外プール(2棟)も完備④長期滞在型―など。設計・デザインは建築家山中祐一氏(東京都)が手掛けた。

 施設を管理運営する㈱UIは、須永氏が立ち上げた㈱アイナスホールディングスの関連企業。UI代表取締役の黒瀬さん(42)は長崎県平戸市の元職員で、移住定住・ふるさと納税推進業務を兼務当時の2014年度、全国で初めて寄付額10億円を突破させ日本一を達成。納税の使途を紹介した「ありがとう」の動画制作、全国自治体からの講演依頼でもおなじみ。19年3月に退職して千葉県で起業した。

 お披露目会のセレモニーには近隣地区住民代表たちも参加。黒瀬さんはあいさつで「旅行サイトで多くの観光客をではなく、できるだけふるさと納税でお泊めしたい。1泊(1棟)15万円~20万円のレンジで、ふるさと納税宿泊券をお配りしている。㈱トラストバンクと一緒になって、多くの人に愛される宿泊施設にしたい」。

 高岡秀規徳之島町長は来賓あいさつで「LCC(格安航空会社)や直行便実現など要望活動をしてきたが、これほど高価な宿泊費、ふるさと納税で宿泊を実現するというマーケティングの発想は我々にはなかった。町も連携して自慢の人と食の魅力で本事業に貢献したい」。地区住民代表らも大型宿泊施設が地域から撤退して久しい中、世界自然遺産登録を機にした観光および地区振興に期待を寄せた。

 一般対象の内覧会などに続き、午後6時からは地区活性化のための「東天城まつり」(東天城=同町北部地区、同実行委員会主催)がスタート。島唄などライブステージや野外映画会などでにぎわった。