マスク着用「個人判断」初日

市民窓口を訪れた市民、対応した職員のほとんどがマスク姿だった(13日午前11時ごろ、奄美市役所で)

市役所は職員、市民ほぼ着用
「外すタイミングが分からない」 奄美市

 新型コロナウイルス対策のマスク着用ルールが13日から緩和され、着用が「個人の判断」に委ねられることになったが、奄美市役所では、窓口業務に就く職員のほとんどがマスクを着用し対応したほか、訪れる市民もすべてマスク姿だった。市民からは「みんな着用しているので、外すタイミングが分からない」「感染がまだ心配なので当分は着用を続けたい」などの声も聞かれるなど、マスクなしの社会に戻るには、まだまだ時間がかかりそうだ。

 同市総務課によると、市職員のマスク着用についても、妊婦や高齢者などと接する機会のある一部職員を除き、同日から厚生労働省の方針に沿って対応することにしたという。

 ただ、実際にはほとんどの職員がマスクを着用して職務に当たっており、市役所2階の市民窓口では、案内業務を含めたすべての職員がマスク姿で市民の対応にあたっていた。20代の女性職員は「市民に安心してもらうためには、もう少しマスク着用を続ける必要があると思う。徐々にマスクを外せる環境ができればいいのでは」と話した。

 市役所を訪れる市民の多くもマスク姿だった。マイナンバーカードの申請で訪れた男性(63)は、「新型コロナがなくなったわけではない。室内などでは着用を続けたい」と話し、別の男性(43)は「できれば外したいが、一人だけ外すのも難しい。周囲の状況を見ながら外すタイミングをみている」と話した。

 この日、市役所で行われた市議会の予算審査特別委員会では、マスクを着用する議員とマスクなしの議員が一緒になって審議が行われた。

 マスクを着用した議員の一人は、「家族の体調が気になったので、念のために着用した」と話す一方、マスクなしで臨んだ議員は「マスクを外す動きを議会が率先することで、市民もマスクを外しやすくなると思う」といった意見や、「マスクなしだと表情が分かり、声も聞き取りやすく議論が深まった」などの声も聞かれた。

 厚労省は、これまでマスク着用について屋外では原則不要、屋内では原則着用としていた方針を、同日から「個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本」とした。ただ、「感染防止対策としてマスクが効果的な場合は着用を推奨する」とし、医療機関や高齢者施設の訪問時、混雑したバスや電車などではマスク着用などの配慮も求めている。