唄者で卒業生 平田まりなさん伊津部小で出張授業

平田さん(奥)の歌に合わせて手遊び歌を学ぶ児童たち

個性や信じる力、先輩に学ぶ

奄美市名瀬の伊津部小学校(山田吉夫校長)で16日、奄美の唄者で同校卒業生でもある平田まりなさんの「出張授業」が同校であった。1年1組の児童33人は、憧れの先輩の体験談やシマ唄の演奏を通じて、個性や才能、信じる力の大切さを身近に感じた。

授業は、児童たちの個性を伸ばす道徳の授業「個性伸長」の一環。様々な分野の著名人や達人に学ぶことで、自信や勇気、人に役立つことの大切さを育もうと取り組んだ。

6歳でシマ唄を始めたという平田さんは自己紹介の後、三味線を手に「朝花節」を披露。島口による口伝で受け継がれてきたことや、集落によって唄い方や歌詞が少しずつ異なることなどを説明し、「それぞれが思い思いに唄えることで、何百年もの時代を旅してきている」と解説した。

また、平田さんは仲間同士で膝をつき合わせて遊ぶ島の伝統的な手遊び「うんにゃだる」を手ほどき。昔は正月などの催事で唄われる特別なものだったが、「同じ唄でも楽しみ方は時代とともに変わってきている。それぞれが違うように、いろいろな色(個性)を感じてほしい」と訴えた。最後は「行きゅんにゃ加那」を一緒に合唱。「島っていいなとみんなが思ってくれるから私も頑張れる。(将来)みんなとまた一緒に唄える日を楽しみしたい」などと呼び掛けた。

将来は保育士になりたいという祐名麗花さんは「三味線を弾きながら唄も上手でびっくりした。シマ唄も(自身で)やってみたいと思った」と目を輝かせていた。