県議会最終本会議

県教育長に就任する地頭所恵氏

県教育長に地頭所氏 当初予算案など可決、公文書管理条例制定

3月定例県議会は17日、最終本会議があり、総額8894億9600万円となった2023年度一般会計当初予算案や公文書等の管理に関する条例制定案などを可決した。また、人事に関し同意を求める議案3件が提案され、3月末で辞職する東條広光教育長(65)の後任に、監査委員の地頭所恵氏(62)を任命することが同意された。

馬毛島基地に 急患搬送体制意見書

同意案の議案は3件提案(いずれも同意)され、地頭所氏の後任となる監査委員には松薗英昭農政部長(60)、今月末で退任予定の西啓一郎人事委員会委員(65)の後任には富永信一東京事務所長(60)が就く。新教育長に就任する地頭所氏は鹿児島市出身、九州大学卒。1984年県庁入り、子育て・高齢者支援総括監、くらし保健福祉部長などを務めた。

可決された当初予算のうち一般会計は前年度当初予算比2・3%増。「行財政運営指針」を踏まえた行財政改革を着実に進めながら、▽新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策および経済対策▽原油価格・物価高騰対策▽基幹産業である農林水産業、観光関連産業や企業の「稼ぐ力」の向上▽デジタル社会の構築▽カーボンニュートラルの実現▽人材の確保・育成▽子育て支援―などの施策を積極的に推進する予算よして編成。今年10月に開催される「かごしま国体」の関連費用、県の新しい総合体育館の建設や運営に民間資金やノウハウを活用するPFIの手法を導入するための準備費用も盛り込まれている。

常任委員会報告のうち、環境厚生委員会(向井俊夫委員長)からは県政一般の特定調査で新型コロナ対策(くらし保健福祉部・県立病院局関係)が報告された。委員会での質問に関する当局答弁で、季節性インフルエンザと同じ「5類感染症」に変更された場合のワクチン接種は、23年度は重症化リスクの高い人は年2回、それ以外は同1回になり、24年度以降は国において検討が進められる。マスク着用は、3月13日以降は個人判断が基本となり、4月1日以降学校においてはマスク着用を求めないことが基本となる。これについて当局からは「教育委員会等と連携し、子どもたち本人の意思に反しマスク着脱を強いることがないよう取り組む」との答弁があり、委員からは「不安を抱える子どもがいると思われるので、個人の判断が尊重される対応をしてほしい」との要望があったことが報告された。

このほか意見書2件を原案通り可決。「酪農振興」と「馬毛島基地(仮称)に急患搬送体制の整備を求める」意見書で、このうち急患搬送は、離島での急患搬送は県民の生命にかかわる重要な問題として「現在整備中の馬毛島基地に急患空輸を担う部隊を配置し、離島からの迅速な急患搬送体制を充実するよう」国に要望していく。