大島高校ダンス部発表会

創設4年目を迎えた大島高校ダンス部による発表会があった(12日、奄美文化センター)

 

 

第35回鹿児島県高等学校ダンス発表会優秀賞作品「同胞よ立ち上がれ―奄美日本復帰にかけた先人の強い意志―」の最終場面(12日、奄美文化センター)

 

 

歴史や思い、舞台で表現
観客1350人へ感謝とともに

 

 奄美市名瀬の県立大島高校ダンス部(寺下和希顧問、部員19人)は12日、第2回発表会を同市名瀬の奄美文化センターで開いた。奄美群島の日本復帰をテーマにした「同胞よ立ち上がれ」のほか、同部OBによる創作ダンスなど計14演目を披露。趣向が凝らされた照明や音響が各作品を演出。ほぼ満席となった会場約1350人の観客を魅了した。

 大島高校ダンス部は、2019年4月に同好会として発足し20年、部に昇格。創作作品「水蝹=けんむん= ~昔々、在る今日=こんにち=も~」(21年)、「同胞よ立ち上がれ―奄美日本復帰にかけた先人の強い意志―」(22年)が、鹿児島県高等学校ダンス発表会(県高校総体)優秀賞を連続受賞。昨年3月の第1回発表会は、新型コロナウイルス感染拡大を考慮し関係者を中心に開催。今回、同部員自ら宣伝活動を行い、島内外から大勢の観客が来場した。

 2部構成の発表会は、両受賞作品のほか、部員や歴代OBによる創作、演出作品を披露。ソロ出演となった3年の峯杏里さんによる「『ワタシ』と『わたし』」のほか、1・2年生が様々な感情の機微を表現した「どろん」、全学年が出演し「自分らしさ」をテーマにした「群青」「薄桜」などを発表。思春期の揺れる思いや秘めた感情を舞台全体で表現し、部活動を支えた関係者や保護者らに対する感謝の意を、ダンスを通し伝えた。この日はほかにも同校書道部が、様々な書体を用いた舞台パフォ―マンスを行った。

 同好会時代から顧問を務める、鹿児島市出身の寺下教諭(26)は「厳しさの中に優しさが伝わるダンスを指導するとともに、部員たちからは、ケンムンや日本復帰など奄美の文化、歴史を学んできた。4年間生徒たちと一緒に走り続け、今日という日を迎えられた」と話した。

 同市名瀬の最上音和=おとあ=さん(18)は「(出演者たちが)ダンス中も表情に気を使っているのが伝わりすごいと思った。迫力がある舞台で感動した」と話した。