奄美市遺産PF会議

今年度最後の会合を行った奄美市の公民連携会議「世界自然遺産活用プラットフォーム」

5提言 新年度予算に計上 23年度運用開始

世界自然遺産登録効果の最大化を目指す奄美市の公民連携会議「世界自然遺産活用プラットフォーム」(座長・須山聡駒澤大学教授、コア委員14人)の第7回会議が19日、奄美市役所大会議室であった。委員らが提案し採択された11提言のうち、5提言について「23年度予算に計上」したと事務局から報告。新年度から運用を開始する。残りは5提言が「検討中」、1提言が「取りまとめ中」となっている。

残りは「検討中」など

世界自然遺産登録の有効活用が目的。組織は、専門家や観光・民間事業者らでつくる委員らが事業を策定し奄美市に提言する機関で、昨年5月の第1回会議を皮切りに、官民が協力しながら活用のアイデアや施策を探ってきた。

予算が計上された事業は、①人材育成(インタープリター育成事業)②活動への補助・助成および支援表彰事業(紡ぐきょらの郷づくり事業など)③各種サイン計画の策定(「稼ぐ」地域づくり調査事業)④法定外目的税導入の検討委員会設置(新たな財源創設検討委員会事業)⑤人も猫も野生動物も住みよい奄美大島の実現(ノラネコ対策事業・一部)―の5提言。③④は新規事業として計上した。

残りの「記念碑の建立」や「ガイドブック作成」、「神屋タンギョなどの資源活用」などの5提言については、ニーズを見極める必要などがあるとして、検討を継続。「推進事業関連のまとめ」の提言については、内部検証資料としての作成を進めている。

安田壮平市長はあいさつで「想定以上の成果があったと感じている。今後も民間・地域などと一緒に協力して(遺産の活用を)考えていくことが大事だ」と強調。須山座長は「いろいろ話し合ってきたが、議論の結論が出ていない方にこそ大事なものもある。(同会議を)悩む場にし今後も考えを持ち込んでいく場にしなければならない」と呼び掛けた。

意見交換では、検討中の提言について「スピード感をもって実現を」といった要望も出た。会では委員による講話なども行われた。

次年度同会議については、日程や人選などを含め未定となっている。