田中さん(田皆小3年)の作文きっかけ

新村和樹さん(後列左から2人目)と野村さみ子校長(後列左端)、田中千紗さん(中列左)とその家族=知名町=

手紙で交流、学校訪問実現 鹿児島市在住の新村さん

【沖永良部】鹿児島市在住で県庁職員の新村和樹さん(27)が20日、知名町立田皆小学校(野村さみ子校長)を訪れた。同小3年の田中千紗さん(9)が書いた作文「わたしは、ここがすき」がきっかけとなった。

新村さんは、2018年4月から21年3月まで、初任地である大島支庁沖永良部事務所で勤務。現在は、県商工労働水産部中小企業支援課高度化支援係で働いている。

昨年8月22日、南日本新聞に田中さんの作文が掲載された。そこには、休みの日に家族で海に出かけた時の様子や、海でもっと遊びたいという素直な気持ちが綴られている。

作文を読んだ新村さんは、沖永良部島で過ごした3年間を思い出しながら一通の手紙を田皆小へ送った。

「夏の海で楽しくくらす生き物たちの様子が生き生きと描かれていて、まるで絵本の世界に入ったような気持ちになりました。わたしも1年半前までおきのえらぶでお仕事をしていたので、その時の景色が目にうかんできて、元気をもらいました」。(原文ママ) 

届いた手紙に田中さんは、感謝の言葉と一緒に、自然に囲まれて楽しく暮らしている家族5人の絵を添えて返した。

春休みを前に学校への訪問が実現。田中さんと弟の瑛介さん(同1年・7)、兄の琉介さん(同6年・12)、父親の貴規さん(43)、母親の晶子さん(40)と対面した。

子どもたちにプレゼントを手渡した新村さんは「田中さんからもらった手紙と作文は、フレームに入れていつでも眺められるようにしている。沖永良部にいたときは、休日に島の海に潜るのが楽しみだった。(作文を読み)その時のことを思い出した。本当にありがとう」と話した。

田中さんは「すてきな手紙をもらえたし、会いに来てくれたことがすごくうれしかった」と語った。

また、新村さんから学校へ図書購入費用として5万円が寄贈された。