沖縄・国頭村ソテツCAS被害

ソテツを加害する外来種カイガラムシ(資料写真)

ソテツ苗木持ち込み 那覇港「2~3年なし」
侵入経路は不明

奄美大島に続いて国内2例目として確認された沖縄県での外来種カイガラムシ(アウラカスピス ヤスマツイ=英語表記の通称はCAS〈キャス〉)によるソテツ被害。国内だけでなく国外の航路があり、同県の玄関口・那覇港へのソテツ苗木の持ち込みは近年確認されておらず、奄美大島との関連性を含めて侵入経路は不明となっている。

同県環境再生課によると、CAS被害が確認されたのは、国頭村(沖縄島北部やんばる地域)の公園や私有地に緑化木として植栽されたソテツ。被害数は43本(3月9日現在)。同村の山肌などにあるソテツでも葉が黄白色~褐色に変色したソテツが確認されているが、同課は緑化木を対象にしているため被害木には含んでいない。

CASは高い繁殖力でソテツを枯らすことから、海外では甚大な被害が出ている地域もある。国頭村への侵入経路について同課は「外からの出入りがある所としては那覇港があるが、那覇植物防疫所に確認したところ、県外からのソテツ苗木の持ち込み(入荷)は『ここ2、3年確認されていない』とのことだった。国頭村がある北部にはこうした大規模な港はない」と説明。中部には民間の植物園があるが、その周辺では確認されておらず、「現在のところ被害が確認されているのは国頭村だけ。侵入経路は明らかになっておらず不明」(同課)。

同課ではホームページなどを通して防除方法の周知を図っている。この中で分布拡大防止では「風による飛散や人の衣服などに付着して運ばれ分布を拡大することから、被害木処理の際は服装に付着しないよう注意が必要」と呼び掛けている。